株式会社応用気象エンジニアリング 前代表取締役 髙田吉治著 『風力発電設備と雷-その影響と対策-』(成山堂書店)より まえがき 雷は、気象現象であると共に電気現象である。 昔から高い地物に対しては、落雷による被害が多いのが常識となっている。材質が導体であろうと絶縁体であろうと、高い地物ほど雷を引き寄せる効果は大きい。 落雷による被害は、高電圧、大電流によるものと、それに付帯して発生する瞬間的な衝撃、音、高熱によるものである。 風力発電設備は、平成15年(2003年)頃には単機出力が1500kWを超えるような大型機種が急速に増えてきた。さらに風車のタワーは高くなり、ブレード先端高さが100mを超えるようになってきた。このころ、海外からの輸入機の割合が90%を占めていたが、海外とは異なる日本の特異な気象状況も影響し、雷による被害が多発し始めた。その後、風力発電設備の大型化、高層化によって、特に