『マンガ ドラゴンクエストへの道』は、エニックスが出版事業に参入してまだ日が浅い1990年2月に出版された。 同時期の「モンスター物語」などと同じB5判で、280ページ以上もある長編だ。 中身はご存じだろうが、堀井雄二と中村光一がエニックスと出会い、ドラクエ1を開発するまでの経緯をマンガにしたもの。 有名な本だ。 現在も本書は一線級の資料として扱われており、ときにはゲーム史の参考文献として使用されていることもある。 本の中にはフィクションともノンフィクションとも書いてないのだが、大部分は事実に沿って構成されているが、もちろん一部は脚色も入っているという見方が一般的である。 そこに罠があったという話を、今回やっていこうと思う。 いろいろあったが、結局入手するしかないという考えに至り、こうなった。 のち91年にガンガンコミックスから再編集版が出ているが、単純にオリジナル版のほうが内容が多いよう
ゲーム&カルチャー誌「CONTINUE」,6月26日発売の最新号はセガサターン大特集号。VTuberイブラヒムとローレン・イロアスの対談も掲載 編集部:Chihiro 太田出版は本日(2024年5月13日),ゲーム&カルチャー誌「CONTINUE」Vol.83を6月26日に発売すると発表した。価格は1650円(税込)。 今回の表紙と巻頭特集は「セガサターン大全」。セガの家庭用ゲーム機「セガサターン」が2024年11月に発売30周年を迎えることを記念して,その野望や衝撃から終焉に至るまでの日々が語り尽くされるとのこと。 さらに,にじさんじ所属のVTuberイブラヒム,ローレン・イロアスによる初の雑誌対談も掲載される。こちらはオールカラーで24ページ,1万5000字を超えるボリュームになるという。 「CONTINUE」Vol.83 紹介ページ <以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載していま
◆前期プロトタイプ◆ サクッとおさらいの時間です。 スーパーファミコン(以下SFC)の試作機といえるものは少なくとも3種類が確認されています。まず世の中にその姿が初披露されたのは1988年11月21日。任天堂本社で開催されたSFC発表会の舞台でした。 (出典:ファミコン必読本12月16日号より) ブツを誇らしげにかかげているのは開発担当者の上村さんです。 実はこのときの試作機は我々が知っているSFCとはかけはなれた代物でした。これだ。 (出典:ファミリーコンピュータマガジン1988年12月16号) どちらかというとNEWファミコンを思わせるデザインです。便宜上、これを前期プロトタイプと呼びましょう。 余談になりますが、この頃、任天堂はSFCでファミコンを遊べる周辺機器「ファミコンアダプタ」なるものを考えていました。こちら↓。これがのちのNEWファミコンへとつながるのですが、それはまた別のお
■二つの600m級タワー:正力タワーとNHKタワー 1960 年代末、二つの600m級電波塔が東京で計画された。 一つは1968 年に日本テレビが計画した高さ550mの「正力タワー」。 もう一つは、その翌年にNHK が発表した高さ610mの「NHK タワー」だ。 いずれも、完成すれば世界一の高さだった。634mの東京スカイツリーが完成する約40 年前のことだ。 テレビ放送開始以来の因縁を持つ日本テレビとNHK は、政界も巻き込む鍔迫り合いを演じ、東京タワーが既に存在していたにも関わらず自らの塔の実現を画策した。 ■世界初の屋根付き球場計画:正力ドーム 高度成長期の東京で計画されていたのは巨大電波塔だけではなかった。 東京タワーが完成した1958 年、日本テレビの正力松太郎会長は、8 万人(のち6万5千人に変更)を収容する屋根付き球場「新宿コロシアム」の実現に乗り出した(本書では「正力ドーム
向江 駿佑 女性向けに制作されるゲームで、男性キャラとの恋愛要素があるなどの特徴を持つ「乙女ゲーム」。ジャンルの歴史はもうすぐ30年の節目を迎えるものの、学術的な研究は発展途上にあるといえます。本連載では、ゲーム史における乙女ゲームの位置付けと影響について、作品や関連資料に基づいて振り返ります。第1回となる今回は、乙女ゲームの定義や名称が広まっていった過程を整理しながら、ジャンル名の確立がもたらした影響を考察します。 連載目次 第1回 「乙女ゲーム」という名称はどのように広まったのか? 第2回 理想の「女性向けゲーム」を求めて:「ネオロマンス」が築いた基礎(1985年〜90年代) 『電撃若 GIRL’S STYLE』『ぱふ』ほか 本連載の目的 本連載では、ゲーム史における「乙女ゲーム」と呼ばれるジャンルの位置付けと、影響について考える。どこを起点とするかにもよるが、一般にこのジャンルは『ア
『陋巷に在り』『泣き虫弱虫諸葛孔明』といった、中国に題材を取った小説で知られる作家の酒見賢一が11月7日に死去した。ネットにはまだ59歳だったのかといった驚きや、『泣き虫弱虫諸葛孔明』とTVドラマが放送中の『パリピ孔明』との関係を類推する声がずらりと並んだ。わけてもデビュー作『後宮小説』が、後の『十二国記』や『彩雲国物語』、そしてこちらもTVアニメが放送中の『薬屋のひとりごと』にもたらした影響を問う声が多くあって、中華風のファンタジーやミステリで盛り上がる今の小説状況を、30年も前に拓いた作家として再注目が集まっている。 『後宮小説』は酒見賢一のデビュー作で、1989年に第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して刊行され、第102回直木賞の候補にもなった。「腹上死であった、と記載されている」という驚きの書き出して始まる小説は、そうした死因による皇帝の崩御から始まり、次の皇帝即位に向けて新し
この記事はTwitterで、アメコミと書店、専門店の関係について書いたところ、予想外に多くの反応をいただいた。 色々な人と、お話して補足説明する内に、最初からまとめて書いておけばわかりやすかったのになと思う点があったので、ここにまとめることにする。 前半は、アメコミと専門店の関係について。最後は、アメコミと漫画の売り上げ比較である。 アメコミって売れてるの?というのが疑問の方は、最後だけ見てもよいかも。 アメコミの売られ方連載アメコミは、1話ごとに30~40pくらいの薄い冊子として月刊で売られ、『Batman #138』みたいな感じで話数ナンバリングされている。これを日本ではリーフなどという。 このリーフ、実は一般の書店では売っていない。コミックブックストアと呼ばれる専門店に行かないと売っていないのだ。 日本人の感覚からすると、漫画が本屋で売られてないのだから非常に奇妙に感じる。 「売れな
『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』が増刷しました。 2014年4月の刊行から9年目。これで3刷目となります。こういうたぐいの本が発売から時間が経ってから重版となるのは本当に嬉しい限り。僕にとっては初の単著でもあり、思い入れの大きな本でもあります。 新版には「ボーカロイド文化のその後の10年」と題した文章を綴ったペーパーを挟み込んでおります。 2023年8月31日、初音ミクの16歳の誕生日にあわせてこちらのペーパーに記した内容もブログ上に公開しようと思います。 00年代のネットカルチャーの泡沫が過ぎゆく時の波に洗われて消えていく中、初音ミクの登場のときにあった熱気を、20世紀のロックやポップ・ミュージックの歴史とつなぐ形できちんと単行本の形で残す仕事をすることができたのは、自分にとってもすごく大きなことだったと思っています。 ボーカロイド文化のその後の10年 ブームは去っても、カルチャーは
40周年のお祭りムードのなか、先日、NHKがファミコンに関する記事を掲載した。ちなみに冒頭で紹介されている大阪府阪南市のレトロゲームの展示会には私オロチも展示側として参加させてもらっているのだが(※参照記事)、今回はそんなレトロゲームの展示会の喧伝ではなくて。笑。古川社長へのインタビュー部分にフォーカスを当ててみたい。 といっても注目すべきは内容ではない。インタビューに入る前のこの一文だ↓ 「3年は他社に追随されないものを、お客さまが求めやすい価格で実現する」こうテーマを掲げ、開発が推進されたというこのゲーム。 出たー!!。 ファミコン開発秘話が語られるときに必ずと言っていいほど出てくるエピソード。いわゆる「3年独走しろ」伝説だ。これは当時の山内社長がファミコンの開発を上村氏へ命じるさいに放った言葉とされている。この記事では古川社長の発言というよりも地の文として登場していたのだった。 それ
地域で愛されてきた書店が相次いで閉店名古屋の老舗書店「ちくさ正文館書店」(千種区)が2023年7月31日をもって閉店することになりました。 オープンは1961年。一見、普通の“町の本屋さん”風ですが、ベストセラーには目もくれず、人文・文芸書がやたら充実した独自の品揃えで、名古屋の本好きから篤い信頼を得てきました。 特に古田一晴(かずはる)店長の選書、棚づくりは「古田棚」とも呼ばれ、全国の出版関係者から一目も二目も置かれてきました。 名古屋では今年に入って1月に七五(しちご)書店(瑞穂区)、6月に正文館書店本店(東区)と地域で愛されてきた書店が閉店。さらにミニシアターの名古屋シネマテーク(千種区)も7月末で閉館と、カルチャーの拠点が相次いで姿を消しています。 「本」の大きな筆文字が目印の「ちくさ正文館書店」。JR・地下鉄千種駅から歩いてすぐの場所にある名物店長・古田一晴さんインタビュー 「学
子どもが興味関心を失う大きな原因に「先回り」があるらしい。 自分が子どもの頃、大好きだった図鑑があって、「これ、お父さんが大好きでよく読んでいたんだ」というと、一つも読もうとしなかった。 ところが知人がくれた図鑑は擦り切れるほどに何度も読んで、私にその知識を披露してくれた。 私の勧めた図鑑を手にとろうとしなかったのは、私がその図鑑の内容について詳しいからだろう。ということは、その図鑑から知識を仕入れて親に披露しても、親は「ああ、知ってる知ってる」という反応しかしないだろう、それどころか追加の知識も披露して自慢するだろう、と嫌気がさしたのかも。 「名探偵コナン」が大好きな息子。そこにたびたび三国志エピソードが挟まるのに興味をもち、「三国志読んでみたい」と言い出した。三国志好きな私はそれで嬉しくなってしまい、熱く語ってしまった。そこから息子はマンガ三国志を読まなくなってしまった。私が詳しいこと
安倍晋三元首相が銃撃された事件から7月8日で1年。山上徹也被告(42)は捜査機関の取り調べに、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者で、家庭の崩壊に苦しんだと動機を語り、こんな内容も供述した。「(韓国から教団を)招き入れたのが岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」 岸氏から安倍氏にいたる「安倍3代」と旧統一教会の歴史を解明しようと、私たちは教団創設者・文鮮明氏の発言録「マルスム選集」(全615巻約20万ページ)をはじめとする教団関係の資料を手分けして分析し、同時に関係者にも取材した。 そこで分かったのは、教団が日本上陸後すぐの1960年代から、岸氏ら自民党有力政治家と関係を結んでいたこと、そして「安倍3代」を軸に、その影響が今も続いていることだった。教団はなぜ自民党を必要としたのか。政治家の側も、なぜ教団に近づいたのか。“禁断の果実”と知っての上だったのだろうか。(共同通信大阪
Sports Graphic Number 1074号 阪神タイガース監督論。 ~伝統と熱狂の球団を導く難しさとは~ 2023年6月1日発売 730円(税込) で読む SPECIAL FEATURES ロングインタビュー 文◎酒井俊作 岡田彰布 「勝負はまだまだこれからよ」 愛弟子が見た 文◎佐井陽介 鳥谷敬が語る2023年型采配 理想のリーダー像とは 文◎中矢健太 髙島崚輔(兵庫・芦屋市長) 「史上最年少市長のマニアック虎愛」 名将の言葉学 文◎山田隆道 著書から読み解く岡田彰布の脳内 4・12ドキュメント 文◎佐井陽介 今季初先発・7回完全、村上頌樹降板の舞台裏 '23年のキーマン① 文◎中野椋 中野拓夢 「真価を呼び覚ましたコンバート」 '23年のキーマン② 文◎佐藤春佳 湯浅京己 「シンデレラストーリーには続きがある」 当事者たちの証言 文◎酒井俊作 人生を変えたJFKという名の魔
池本剛 @ikemoto06 そもそも漫画は『あらゆるタイトルが基本的に自動的に単行本化されるもの』…ではなかったんですよね。大昔の漫画は描き下ろしの単行本と、雑誌連載されるものの二種類だけ。連載漫画を単行本に収録して販売するという選択肢は存在してませんでした。描き下ろしの漫画と読み捨ての漫画の二極のみ。 2023-05-28 18:37:38 池本剛 @ikemoto06 月刊漫画誌の大人気作品、例えば「鉄腕アトム」や「鉄人28号」なんかは大型の総集編タイプの単行本が出ましたが、これは現在の新書判やB6判の単行本などとは違う体裁で、ムックや雑誌増刊の範疇の代物でした。 2023-05-28 18:37:38 池本剛 @ikemoto06 現在の漫画単行本の直系の始祖となる、秋田書店のサンデーコミックスが刊行開始したのが昭和41年(1966年)。同時期の、コダマプレスのダイヤモンドコミック
大阪学院大学高等学校 阪神タイガース (1967 - 1975) 南海ホークス (1976 - 1977) 広島東洋カープ (1978 - 1980) 日本ハムファイターズ (1981 - 1983) 西武ライオンズ (1984) 江夏 豊(えなつ ゆたか、1948年5月15日 - )は、兵庫県尼崎市出身(奈良県吉野郡生まれ[1][2])の元プロ野球選手(投手)、解説者・評論家・タレント。 2023年現在でも日本記録であるシーズン401奪三振を達成したほか、NPB最多タイ記録となる最優秀救援投手(現在の最多セーブ投手)を6回獲得している。プレーそのものについても「オールスター9連続奪三振」「江夏の21球」など多くのエピソードを持つ。 経歴[編集] 兄から言われて左利きに[編集] 1948年5月15日、奈良県吉野郡にて生まれる。鹿児島県出身の母は大阪にいた頃大阪大空襲に遭い疎開先の奈良県吉野
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く