あけましておめでとうございます。 三が日から、本邦各地で大規模な災害や事故・事件が発生しており、遭難された方々の心中お察しするとともに、心よりお見舞い申し上げます。 私自身も、微力ながら能登大地震被災地への募金をさせていただきました。 ともあれ、年末年始読んだ本を棚卸しします。すでに結構内容忘れちゃってますが。 休暇中、じっくり本を読むような時間があまり取れませんでした……。 大江健三郎・古井由吉『文学の淵を渡る』大江健三郎と古井由吉の対談集。 両者は年齢的に同世代の作家であり、東大文学部(大江は仏文、古井は独文)出身という点でも共通点がある。 本書は、93年から2015年にかけて行われた数度の対談を1つにまとめたものである。 『明快にして難解な言葉』では、小説や翻訳を巡り、言葉の不思議さや、それが物語ることの限界性について両者がトップギアで対話を進める。 その中で、大江が以下のように語っ