同性の客を相手にした性風俗店には、風俗営業法は適用できない-。性風俗での部屋の使用を禁じているにもかかわらず、マンション内でニューハーフヘルス店を営業しているのは管理規約違反として、大阪市内のマンション管理組合が性風俗の使用を禁じる仮処分を大阪地裁に申し立て、昨年10月に借り主の退去が実現した。大阪府警が立ち入り調査をするも風営法の適用外として取り締まりを断念。異例ともいえる今回の事態は、組合側が管理規約を根拠にしたことで解決に至ったが、性の多様化を前に、風営法の“死角”が浮き彫りになった格好だ。 ■女装男性に苦情殺到 大阪市北区のマンション。閑静な雰囲気のマンションだが昨年2月、ある一室が契約されると、直後に住民が目を疑ってしまう“住人”の姿が目撃されるようになった。 女装した男性らが頻繁に出入りし始めたのだ。エレベーター内などでの目撃情報が寄せられ、住民からは「騒いでいてうるさい」