2008年10月に開通した京阪電鉄中之島線(天満橋―中之島、約3キロ)のうち、大阪市役所(大阪市北区)の地下を通過する一部区間(対象263平方メートル)について、線路敷設のための地上権設定が未登記のままになっていることがわかった。市役所に隣接する大阪府立中之島図書館の土地所有権を巡る府と市の対立が原因で、このままの状態が続けば中之島線を建設・保有する府市出資の第3セクターが、国から補助金の返還を求められる可能性もある。同社は「出資者同士の内輪もめで不利益を被るとは……」と困惑している。 関係者によると、3セク「中之島高速鉄道」は07年5月、市役所敷地の地下の一部を使用するための地上権設定契約を市と締結。代金として市側に約5億円を支払った。 これを受け、市は登記手続きに入ったが、公図が古く、市役所と東隣の府立図書館の境界が画定できない状態であることが判明。図書館の敷地は、明治以来、市に所有権