【ロンドン=小玉純一】財政危機を理由に緊縮政策を進めているギリシャで、生活苦を理由にした自殺者が増加しています。5月にも実施予定の総選挙を前に、政治家の対応を問う声が上がっています。 アテネからの報道によると、4日朝には元薬剤師のギリシャ人男性(77)が、通勤ラッシュの時間に国会議事堂前で、銃で頭を撃って自殺しました。 地元メディアによると、男性は遺書を残し、「年金保険料を35年間払ったにもかかわらず、政府のせいで生きていけなくなった」「ごみ箱から食べ物をあさる前に、死ぬ以外にまともな方法を見付けられなかった」と記していました。目撃者によると、男性は自殺直前に「子どもに負債を残したくない」と叫んだといいます。 事件後、現場には約1千人が集まり、ろうそくと花を供え、追悼のノートを置きました。夕刻には数百人がデモ行進し、「これは自殺ではない。国家による殺人だ」と声を上げました。北部テッサロニキ