いま世界の哲学者が考えていること IT革命とBT革命が人類の未来を変える? 資本主義は21世紀でも通用するのか? 世界が再び宗教へと回帰していくのはなぜなのか? 21世紀最先端の哲学者が描き出す人類の明日とは。AI、遺伝子工学、フィンテック、格差社会、宗教対立、環境破壊……世界の難問がこの一冊でクリアに解ける! バックナンバー一覧 シノプティコン ――多数が少数を監視する情報社会 フーコーの流行によって多くの研究者が「近代は少数者が多数者を監視する社会である」と考えるようになりました。 しかし、ノルウェーの社会学者トマス・マシーセンによれば、この理解には決定的な見落とし、しかも意図的な見落としがあります。つまり、フーコーは「古代=見世物」、「近代=監視」と主張するのですが、こうした対比は歴史的にはうまく説明できないのです。 こうした歴史的な理解はきっと間違いであろう。事実により近いのは、次
