「香港版タンクマン」と呼ばれているニューヨーク・タイムズの写真 LAM YIK FEI-THE NEW YORK TIMES-REDUX/AFLO <デモ隊は暴徒か英雄か――。デモ参加者、警察そして記者自身が望むアングルで切り取られ、世界に配信されていく香港の抗議活動。その「真実」はどこにある?> 70年代に寺山修司率いる演劇集団「天井桟敷」が上演した市街劇『ノック』をご存じだろうか。杉並区阿佐ヶ谷近郊で行われた「演劇実験」で、観客は劇場内ではなく普通の街中で何かが起こるであろう場所の印が付いた地図を片手に街をさまよいながら各所で行われるパフォーマンスを体験していくという30時間にも及ぶイベントだった。当時付近の住民はほとんど何も知らされず、場所によっては警察を呼ぶような騒ぎにもなったらしい。 香港を訪れて騒乱のさなかに身を置いて感じたのは、今起こっているこの一連の出来事と半世紀前に行われ
![メディアによって拡散される市街劇「香港」の切り取られかた](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/916a0636a067c7a58f729d709f3e717fc9728bb7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2019%2F09%2Fwebw190906-nythk-thumb-720x480-167557.jpg)