神奈川県鎌倉市で、鎌倉幕府の初代執権北条時政の館があったとされ、ガイドブックなどにも紹介されている場所は、時政の邸宅跡ではなかったことが市教育委員会の発掘調査でわかった。 名称も「大町釈迦堂口遺跡」に変更されたため、地図なども書き換えられることになりそうだ。 調査では鎌倉時代の寺とみられる新たな遺構を発見。市は「歴史資料として重要。時政邸宅跡との伝承のお陰で開発から逃れて保存状態もいい」として、国の史跡指定を目指す。 時政邸跡とされていたのは、鶴岡八幡宮の南東の衣張(きぬばり)山(120メートル)のふもとで、周辺には、源頼朝を殺そうとしたとされる源義仲の家来の娘、唐糸(からいと)を閉じ込めたと伝わる横穴や、邸の裏門とされた切通(きりどおし)もある。 地元の研究家が1940年頃、周辺の平らな土地を鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡(あづまかがみ)」などに記された時政の「名越(なごえ)邸」跡と推定し、そ