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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (3)

  • エンタメの恐怖はニセモノなのか『恐怖の正体』(春日武彦著、中公新書)

    ネットで肝試しするなら「蓮コラ」画像が手軽だ。ちょっと検索するだけで簡単にゾワゾワできる。「集合体恐怖症(トライフォビア Trypophobia)」で検索するのもあり。生理的にダメな、見てはいけないものを見ている感覚を味わえる。 あるいは、youtubeで「フライングスーツ flyingsuits」を検索してもいい。ムササビみたいな恰好をして滑空する映像を「一人称で」見ることができる。スカイダイビングとは異なり、切り立った崖から飛び降りるのがスタートだ。だから映像は、飛び降り自殺する人が見ている(見ていた)視点と重なる。 Wingsuit Flight - straight & steep line より 高所恐怖症なら、「Raw Run」で検索しよう。スケボーで長い坂道を延々と滑り降りる映像なのだが、背筋ゾゾゾとなるのを請け合う。乗ってる人はほぼ丸腰で、ヘルメットもしていないのもある。公

    エンタメの恐怖はニセモノなのか『恐怖の正体』(春日武彦著、中公新書)
  • ジョージ・オーウェル『1984年』を山形浩生訳で読んだら驚くほど面白かった

    有名だけど退屈な小説の代表格は、『一九八四年』だ。全体主義による監視社会を描いたディストピア小説として有名なやつ。 2017年、ドナルド・トランプが大統領に就任した際にベストセラーになったので、ご存知の方も多いだろう。「党」が全てを独裁し、嘘と憎しみとプロパガンダをふりまく国家が、現実と異なる発表を 「もう一つの事実(alternative facts)」 と強弁した大統領側近と重なったからかもしれぬ。 『一九八四年』は、学生の頃にハヤカワ文庫で読んだことがある。「ディストピア小説の傑作」という文句に惹かれたのだが、面白いという印象はなかった。 主人公のウィンストンは優柔不断で、あれこれグルグル考えているだけで、自ら行動を起こすというよりも、周囲の状況に流され、成り行きで選んでゆく。高尚な信念というより下半身の欲求に従っているように見える。 「党」を体現する人物との対話も、やたら小難しく何

    ジョージ・オーウェル『1984年』を山形浩生訳で読んだら驚くほど面白かった
  • ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』

    人はミスをする。これは当たり前のことだ。 だからミスしないように準備をするし、仮にミスしたとしても、トラブルにならないように防護策を立てておく。人命に関わるような重大なトラブルになるのであれば、対策は何重にもなるだろう。 個人的なミスが、ただ一つの「原因→結果」として重大な事故に直結したなら分かりやすいが、現実としてありえない。ミスを事故に至らしめた連鎖や、それを生み出した背景を無視して、「個人」を糾弾することは公正なのか? 例えば、米国における医療ミスによる死亡者数は、年間40万人以上と推計されている(※1)。イギリスでは年間3万4千人もの患者がヒューマンエラーによって死亡している(※2)。 回避できたにもかかわらず死亡させた原因として、誤診や投薬ミス、手術中の外傷、手術部位の取り違え、輸血ミス、術後合併症など多岐にわたる。数字だけで見るならば、米国の三大死因は、「心疾患」「がん」そして

    ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』
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