Rationalは有理数を表すRubyクラス。Ruby1.0の頃から存在する歴史あるクラスだが、1.9から組み込みクラスになり、1.9.2からはTimeの内部表現の一つとして採用され、2.1からはリテラル表記が導入されるなど、その重要性は近年それなりに高まり続けている。 しかし現状のRationalは、不必要に遅い実装になっている。現状のRationalがなぜ遅いのか、それをどうやって速くしようとしているのか、今年度Ruby開発プロジェクト助成金の対象者として、その技術的な概要を述べる。 また、話者がなぜRationalに目を付け、その最適化を試みているのかについても話す。