教育はイデオロギーでなく「運用」で語れ――安全装置としての「理想の日本人像」 『文部省の研究』著者、辻田真佐憲氏インタビュー 情報 #教育勅語#新刊インタビュー#文部省 明治維新後の「独立独歩で生きてゆく個人」、戦時期の「天皇に奉仕する臣民」、戦後の「平和と民主主義の担い手」、そして高度成長時代の「熱心に働く企業戦士」と、文部省は時代の要請にこたえて「理想の人間像」を打ち出してきた。その軌跡には近代日本の姿がそのまま映し出されている。『文部省の研究』の著者、辻田真佐憲氏に150年の日本の教育の歴史と、いまなぜ「理想の日本人像」なのかを伺った。(聞き手・構成 / 芹沢一也) ――本日は『文部省の研究』を出版された辻田先生に、文部省と「理想の日本人像」というテーマをめぐってお話を伺います。最初に本書のコンセプトを教えていただけますか。 「国家百年の大計」である教育は、経済的な数字だけでは成り立