2008年から始まった「ふるさと納税」が岐路を迎えている。「生まれ育ったふるさとに貢献できる」「自分の意思で自治体を応援できる」を理念としているが、実態は、大都市と地方の格差をなくし、税収減に悩む地域にお金を回す仕組みとして生まれたものだ。 「地方に寄付すると、好みの返戻品をもらえることから、利用は拡大の一途をたどっています。2015年度に1653億円だった寄付額は、 2022年度に9654億円まで拡大しています。これだけの税金が大都市から地方に移ったわけですから、非常に大きな影響があったと言っていいと思います」(経済担当記者) 当初、返礼品の金額の上限はゆるく、一時は寄付額の7割を超えるようなものも存在した。 「しかし、自治体の返礼品競争が激しくなったため、総務省は2023年10月から返礼品を寄付額の3割以下に設定したのです。同時に、調達経費を、寄付額の5割以下にするよう通達しました。