発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響を評価し、食品や飲料水の1日当たりの摂取許容量を議論してきた内閣府食品安全委員会は25日、PFASの一種であるPFOSとPFOAの2物質でそれぞれ、体重1キロ当たり20ナノグラムを指標とする「評価書」を正式決定した。約4000件届いたパブリックコメント(意見公募)は「緩すぎる」などの批判がほとんどだったが、食安委は反映しなかった。(松島京太)
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なぜ女性は「昇進」できないのか。 川崎市職員の佐藤直子さん(50)は長年、自治体職員として働きながら感じてきたモヤモヤの正体を解明しようと、自治体の女性職員のキャリア形成などについて大学院で研究に取り組んでいます。女性は昇進したがらない? 女性管理職が就く部署は決まっている? 現状の背景には何があるのか、変えていくことはできるのか、話を聞きました。(小林由比、北條香子) 佐藤直子(さとう・なおこ) 川崎市こども未来局青少年支援室子どもの権利担当課長。1998年入庁後、児童館での青少年健全育成業務、公務災害・通勤災害事務、区役所での市民協働まちづくり業務、総合計画などの庁内調整事務、市長への手紙、コールセンターなどの公聴担当、幼児教育担当などを担当してきた。自身を含めた女性職員のキャリアパスに関心を持ち、2018年から研究を開始。22年4月から埼玉大経済経営系大学院博士後期課程。専攻は労働経
軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ=2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供) 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設問題。焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応を巡り、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かった。(中沢誠) 奨学寄付金 研究振興のため民間から大学などに寄付される資金。使い道が限定されていないのが特徴で、大学への交付金が減少する中で貴重な研究資金となる一方、産学の癒着の温床になりやすい。原子力規制委員会は委員の選任に当たり、直近3年間の関係業者からの寄付を申告させ、公表している。国の医薬品の承認審査では、関係企業から年50
保護者らから反発を生んでいた、子どもだけでの留守番や外出を「置き去り」として禁じる埼玉県虐待禁止条例の改正案が10日、取り下げられた。 改正案を提出していた自民党県議団の田村琢実団長は、さいたま市内で会見を開き、「県民、国民の皆様におわび申し上げます」「全て私の説明不足」と反省の弁を述べた。
東京都渋谷区の沢田伸副区長が区役所の公用チャットシステムで、区議会の桑水流(くわずる)弓紀子区議(35)を「ブタ」などと中傷する投稿をしていたことが分かった。桑水流区議が所属する立憲・国民区議団は7日、都内で記者会見し、長谷部健区長の任命責任を追及する方針を示した。区側は本紙の取材に事実関係を認めた。
万博のためならルールも破る? 時間外労働の上限があるとパビリオン間に合わず 再来年開催なのに、現地は今 2025年の大阪・関西万博で、パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外にできないかという動きが出ている。施設整備が遅れている上、24年から上限規制が建設業界にも適用され、人手確保がより難しくなるとの見立てがあるようだ。しかし、上限規制は働き方改革のための重要なルール。国家的なイベントなら、例外にしても許されるというのか。(宮畑譲、山田祐一郎)
東京都世田谷区は二十二日、二〇二三年度のふるさと納税制度に伴う区税の流出が前年度比十億円増で、過去最大の九十七億円に達したと発表した。二二年度から対策として返礼品を拡充して寄付を呼び込んだが、その効果も吹き消す損失で、保坂展人区長は「大変ショック。このままなら百億円、百五十億円と進む。耐えられない」と国による制度の見直しが必要と訴えた。 流出額は昨年、区民が制度を利用して他自治体に寄付したことに伴う本年度の区税控除額の総計。一三年度は六千万円だったが、年々、特産品など豪華な返礼品をそろえる自治体への寄付が増え、流出額が膨張。十一年間の流出は累計四百五十八億円に上った。 区は長年、返礼品を福祉作業所で作ったお菓子など社会的意義のあるものに限っていたが、昨年度から区内の名店の商品やクーポン券などをそろえ「返礼品競争」に加わった。果たして二二年度は前年度の倍の二億八千万円の寄付が集まったが、流出
防災・危機管理対応の意思決定や現場に女性が少ないと、どのような問題が起きるのか。本紙の自治体アンケートからは、女性や子どもに必要な備品や対応が想定されず、災害時の混乱を広げかねない状況が浮かぶ。一方、女性職員や委員だけでなく、地域の女性防災リーダーを増やす取り組みも徐々に始まっている。(奥野斐)
東京電力福島第一原発事故の後始末について重要な動きが出た。除染土再利用の実証事業を福島県外で初めて行う計画だ。県内で中間貯蔵する除染土を再利用で減らすというのが環境省の言い分で、16日に埼玉県所沢市内、21日に東京都新宿区内の事業について説明会が予定され、他地域でも実証事業が取り沙汰される。これらの地域で再利用が浮上したのはなぜか。汚染拡散につながる再利用を安易に進めていいのか。(特別報道部・岸本拓也、中山岳)
われわれが繰り返し聞かされてきた、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が「70〜80%」という国の予測(80%予測)。それがどう計算されたのかはほとんど知られていない。その確率の根拠が江戸時代に港を管理していた役人の一族に伝わる古文書だと、知り私は驚いた。 南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。
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