執筆者 白井 洋一 1955年生まれ。信州大学農学部修士課程修了後、害虫防除や遺伝子組換え作物の環境影響評価に従事。2011年退職し現在フリー 農と食の周辺情報 白井 洋一 2013年10月23日 水曜日 キーワード:バイテク 前回(10月9日)の当コラム「鈴木宣弘・東大教授の新刊『食の戦争』に二言苦言」を読んだ人から「まったく同感、鈴木先生はこの分野では優秀な方なので残念です」と感想をいただいた。 農業資材メーカーに勤務する若い人で、鈴木教授と同じ農業経済学を専攻したという。遺伝子組換え作物や食品について、あんなお粗末な情報を持ち出さなくても、専門分野の知見だけで、米国主導の農業・食糧政策に組み込まれることの問題点を主張できたはずと残念がっていた。 確かにそのとおりだ。しかし大学教授や研究者の書いた一般向け書物で、ここは著者の専門分野だから信用できる、ここは専門外だから注意が必要と判別す