花火を上げ続けてきた政権が、小休止すると、とたんに求心力を失う。政治の世界ではしょっちゅうあることだ。安倍晋三政権も、そんな局面に経たされている。 2012年末の発足以来、次々と新機軸を打ち出し、「もたついて、成果も出せなかった民主党政権とは大違い」と、しきりにアピールしてきた。アベノミクスの金融緩和は円安・株高をもたらし、財政出動は景気回復の下支えとなった。成長戦略はパンチ不足だったが、次々とメニューを並べた。「一億総活躍」も、中身は迫力に欠けるだが、品数は多い。安全保障でも、集団的自衛権の行使容認に踏み切り、関連法を強引に成立させた。 安倍首相が、そうした政策を積み重ねた先に見据えていたのは、衆参両院で改憲勢力を三分の二以上にして、憲法改正を実現することだ。そのために、今夏の参議院選挙に合わせて衆議院を解散し、衆参同日選に持ち込む。それは安倍首相の政権戦略の本筋だったのである。 ところ
![戦略の修正を迫られた安倍政権の前途多難](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8e535821d5f557bc358d7dc78084e78135acb711/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2Fd%2F1200w%2Fimg_8d5a625a53a3b5313d15a12c810f19c8245709.jpg)