笠井潔による本格ミステリ 矢吹駆シリーズには、毎回、思想家をモデルとする人物が現れ、矢吹駆と議論をかわすのが、魅力のひとつとなっている。 <対戦相手が明らかになっているもの> 『熾天使の夏』……特になし 『バイバイ、エンジェル』……VS永田洋子(orマルクス) 『サマー・アポカリプス』……VSシモーヌ・ヴェイユ 『薔薇の女』……VSジョルジュ・バタイユ 『哲学者の密室』……VSマルティン・ハイデッガー+エマニュエル・レヴィナス 『オイディプス症候群』……VSミッシェル・フーコー 『吸血鬼の精神分析』……VSジャック・ラカン+ジュリア・クリステヴァ 『青銅の悲劇 ~瀕死の王』……特になし <対戦相手が不明のもの> 『煉獄の時』……VSソルジェニーツィン+ヌーヴォー・フィロゾフか? (タイトルからして、『煉獄のなかで』の著者が出てくるのでは、と。笠井的には収容所問題は、どこかで取り上げておきた