松尾匡のページ 05年1月25日 左翼による個人主義批判は争点間違い 最近、イラク戦争以降の反米的時流のせいだろうか、左翼世界の中で反個人主義的な言説が流行りだしているように感じる。そのことが、ただでさえ憂鬱なご時勢をますます憂鬱にしている。 同じ反福祉主義の主張でも、アメリカ型保守の発想と日本型保守の発想とは違うのだが、みなさんどれほどそのことを認識しておられるだろうか。 アメリカ型保守の発想は、「大草原の小さな家」である。未墾地を自分の力で耕し、自分の労働で収穫を得た。だからこれはオレのもの。どう使おうがオレの自由だから口出し無用。税金なんて出さないよ。たしかに個人主義なのだ。 しかし日本型保守の発想は違う。福祉に金を出したくありませんという結論は同じなのだが、発想は正反対とも言える。つまり、「共同体のために貢献した者だけが報酬を受けることができる」という集団主義の発想なのである。だか