前橋市は25日、不祥事を通報した職員に1万~2万円程度の現金や図書券などを与える「報奨」制度を3月から取りやめると発表した。1月に定めたコンプライアンス行動指針に制度を盛り込んだところ、市民から「お金が出るから通報するというのは許せない」「報奨ほしさにでっち上げる職員が出るのでは」などの反対意見が多く寄せられたため。制度を適用したケースはなかったという。 市によると、市民からの意見は反対17件、賛成2件。有識者と市幹部で作るコンプライアンス推進委員会が検討した結果、粉飾決算の防止など「公正な職務の遂行に多大な貢献」をもたらした通報者には「表彰状」を渡すことにした。 市では今年度、職員によるストーカー行為や有給休暇の不正取得などの不祥事が相次いで11人が懲戒処分を受けている。市の行政管理課の担当者は「公益通報制度を定着させるため、通報者を何らかの形で奨励したいという姿勢は変わらない」と話して