2022年も終わりが近づいてきた。ベルギーでは、街にはクリスマス・ツリーが飾られ、各地でクリスマス・マーケットが開催され、街が賑わっている。 クリスマスは、日本では恋人のためのものという認識が強いが、欧州では家族で過ごすものという感覚が強い。 今回は、ベルギー滞在で感じている「多様な家族の在り方」について考えたい。 「一人っ子政策」がもたらしたもの ベルギーでは養子が珍しくない。 子どもが欲しいカップルは、精子バンクなどを活用することもあれば、養子を受け入れることもある。 私の大学院の友人は、見た目はアジア人だが、国籍はベルギーだ。親が移民としてベルギーにきたのだと思っていたら、「私は養子なの」とさらりと言われた。 気まずい感じでもなかったのでもう少し聞くと、1997年生まれの彼女は、赤ん坊のころに中国のスーパーに置き去りにされていたところを施設に保護されたそうだ。 ちょうど、中国が一人っ