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ブックマーク / satoshi.blogs.com (9)

  • Life is beautiful: とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編

    ある日の家電メーカーでの会話。まずは副社長室での会話から。 技術部長:副社長、来年度の予算の件はどうなりましたか 副社長:大丈夫だと言っただろう。台湾中国からの追い上げは相変わらず激しいが、テレビは家電ビジネスの要だ、経営陣としてもここだけは手を抜けない。来年も君たちにがんばってもらわなければならない。 技術部長:もちろんです。そのあたりは現場のエンジニアたちも強く感じてると思います。ちなみに、メールに書いてあった「戦略の変更」って何ですか? 副社長:そのことなんだが、経営会議でも持ち上がったんだが、台湾勢と戦うには、我が社にしかできない「差別化要因」が必要だ。価格競争では彼らにかなわない、消費者にとって目に見える価値を提供して、台湾製品よりも3割・4割増の値段でも喜んで買ってもらえるテレビを作らなければならない。私は、キーワードは「クラウド」だと思っている。 技術部長:え?「ク、クラ

    Life is beautiful: とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編
  • 単なる「低コストの外注先」ではなくなりつつあるインドのIT産業

    今週はMBAの授業の一環でインドのいくつかの企業を訪ねてまわっているのだが、今日行ったのはInfoSys。 InfoSysは、Fortuneマガジンが"Top Companies for Leaders 2007' list"の10位に選んだ、インドの「IT産業」の花形。

  • Life is beautiful: 優秀なナースがいるとシステムがなかなか改善されないという話

    「Why hospitals don't learn from failures(なぜ病院は失敗から学ばないのか)」という論文を読んでなるほどと思う部分があったので、ここにメモ代わりに書いておく。 この論文の筆者(TuckerとEdmondson)は、医療ミスがなかなか減らない原因を探るために、全米の10の病院を長期間に渡って調査・研究したのだが、その結果判明したのは、「システムの改善」という観点からは、ナースの優秀さと勤勉さが逆効果になっているという皮肉な話。 「優秀なナース」の定義はどこでも同じで、「目の前の患者が必要としているものを、あらゆる障害を乗り越えていち早く提供する」こと。取り替えるべきシーツが不足していれば別の階に走って行って調達してくるし、新米のナースのミスにはいちいち噛み付くこともなくそのミスを取り繕う。そんなナースたちにとっては、その手の「不具合」や「障害」は避けられ

  • Life is beautiful: Microsoft/Yahoo:買収はたぶん成功するだろうけど、問題はそれからだ

    今回のMicrosoftによるYahooの買収のオファー。ウェブの世界ではどうしてもGoogleに勝つことができないMicrosoftとしては、Yahooのビジネスはのどから手が出るほど欲しい存在。Googleに追い越され、成長に陰りが見え始めた結果株価が安くなったYahooは今がお買い得。WindowsとOfficeというドル箱を抱えながらも、そのドル箱が稼ぎだす莫大な現金をどこに投資すべきかがいまいち見いだせてないMicrosoftとしては、Yahooを買うことによりその価値を買収価格より高くする、というストーリーは説得力がある。 一方、Yahooの株主にとってみればこれは朗報。ずるずると下がり続けていた株に対してこれだけのプレミアムを付けてもらえば喜んで売るのが大半の株主。 少し悩ましい立場にいるのが、Yahooの現行の経営陣。株主利益を最大にするのが役割の経営陣とすれば、このプレミ

  • iPhone用「SIMカード取り出しツール」の写真

    iPhoneにはサービス加入者の識別のためにSIMカードが使われているが、それの取り出し方が分かりにくいのが難点。あるiPhoneユーザーがAppleに質問したところ、こんなものが送られてきたという(下の写真-ソースはflickr)。説明の絵は良いとして、どこにでもあるようなクリップを一つちゃんと同封してくるAppleの「おもてなし」が何とも微笑ましい…。

    saxon
    saxon 2007/08/04
    「取り出しツール」として送られてくるのは意外なモノ。
  • Life is beautiful: 3G版のiPhoneはDoCoMoとSoftbankが採用しているWCDMAになるだろうという話

    バタバタとしているうちに、息子に先を越されてしまったiPhoneの入手。少し触らせてもらったが、細かなところまで気を使ったその使い勝手にはひたすら脱帽である。わずか二年前ぐらいまでは、「日のケイタイは世界一進んでいる」と胸を張って言えたが、iPhoneと他のケイタイの差は、ちょうどパソコン黎明期のMacとDOSマシンぐらいの開きがある。SamsungやNokiaが一見iPhone風のケイタイを出しては来るだろうが、ここまでの細部へのこだわりを持ったデバイスを作れるとは思えない。Appleストアのドアノブのつや消しのし方にまでこだわったジョブズがいるからこその芸当である。 しかし、ソフトもここまで来ると、各ハードメーカーがいちいちハードごとに作っていてもコスト的に見合わない。そうなると、「誰か」がソフトを作るしかないのだが、それが誰になるかがどのくらい重要かは、パソコンの世界でWindow

    saxon
    saxon 2007/07/09
  • ソフトウェア・パテント不要論

    今日、家に帰ってみると、Georgia Institute of Technology (ジョージア工科大学)から、Inventors and Their Inventions: Understanding the Innovation Process というアンケート型の質問状が届いていた。過去数年間に、米国・ヨーロッパ・日でパテントを申請した人の中からランダムに抽出したサンプルだという。 質問の内容は、なぜパテントを申請したのか・その発明にどのくらいの時間をかけたのか・その発明は実際の商品に活用したのか、などのありきたりのものだったが、最後に自由にコメントを書いてほしいという欄があったので、そこでソフトウェア・パテントに関して徹底的な批判を加えておいた。 前にもこのブログで書いたことがあるが、ソフトウェア、ユーザー・インターフェイス、そしてビジネス・プロセスに関してのパテントは認める

    saxon
    saxon 2007/07/02
  • 日本は世界経済にとってのガラパゴス諸島

    渡辺千賀さんの「日は世界のブラックホールか桃源郷か」というエントリー。「そう、そう」とうなずきたくなるようなエントリーだが、私が数年前から使っている表現は「日は世界経済にとってのガラパゴス諸島」。 2000年ごろから始まった、日特有の「ケイタイ文化」の進化は、主に言語と人種と非関税障壁の壁により隔離された日だからこそ起こったと言え、文化人類学的に見ても、グローバル経済の面から見ても、とても面白い。だから、米国のワイアレス関係の人たちの中でも目利きの人たちは、あいかわらず日を特殊な実験場のような目で注意深く見ている。 隔離されているからこそ、独自の変化を遂げることが出来ているのも一つの特徴だが、それゆえに「外来種」にあっという間に駆逐されてしまったり、海外でまったく勝負できないなどの例も後を絶たない。最近ではスターバックスが良い例である。昔良く見かけた「マイアミ」とか「カトレア」は

    saxon
    saxon 2007/06/26
  • Life is beautiful: ビルゲイツの面接試験―ジャンケン編 解説

    たくさんの方たちからさまざまな回答をいただいた「ビルゲイツの面接試験-ジャンケン編」。気が付いた人も多いようだが、この問題の面白さは、単なる数学の問題ではない点にある。中途半端な「ゲーム理論」の知識が逆にじゃまになったり、「数式を使って解けるはず」だとか「正解は一つだけあるにちがいない」などといった思い込みが答えの幅を狭くする。 「ゲーム理論」に基づいて解いて「グーとパーを50%ずつの割合でランダムに出すのが良い」という答えにたどり付いた人が何人かいたが、この方法は最適解とは言いがたい。その戦略で得られる期待値、125000円よりも多くの賞金が期待できる戦略が他にもあるし(後述)、相手がこちらがその手法を取っていることに気が付いて全部パーを出して来たときにどうしようもなくなる。 注目すべきなのは、これがゼロサムゲームではなく、二人で結託してパーとグーを交互に出し合って250000円ずつを得

    saxon
    saxon 2007/03/30
    必用なのは、高度な「ゲーム理論」の知識ではなく、「コミュニケーション・スキル」なのである。
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