子どもの居場所づくりに取り組んで10年。大阪市西淀川区御幣島(みてじま)を拠点に活動するNPO法人西淀川子どもセンターが、大阪弁護士会が毎年選ぶ「人権賞」を受賞した。大切にしているのは、子どもたちと「同じ目線」でいることだ。 「ハンバーグみたいになってもうた!」。今月14日午後6時、改装した古民家の一室。子どもたちがスープに入れる鶏団子を両手で丸めながら、はしゃいでいた。隣の部屋には食器を運ぶ子や、ボランティアから勉強を教えてもらう子の姿も。この日は目玉事業の一つ「いっしょにごはん!食べナイト?」。9人で「いただきます」をしてから、帰宅する午後8時まで笑い声が響いた。 センター代表の西川日奈子さん(61)は1999年に保護司となり、非行に走る子どもの孤独を目の当たりにしてきた。「学校が嫌や」「家に帰るとお父ちゃんが暴力をふるってる」。そんな境遇の子が想像以上に多くショックを受けた。 家庭に
大阪府警が逮捕・勾留した容疑者のうち、生活保護費の受給や受給の可能性が判明したケースが、平成26年7月から昨年10月までに1644人に上ることが8日、府警への取材で分かった。府警の独自制度に基づき容疑者情報を通知された大阪市と東大阪市では計1169人への支給を事実上停止し、勾留中の“二重の生活保護”を防いだ。ただ、残る475人は府警との間に通知の協定がない自治体から受給していた可能性が高く、大半が逮捕後も不要な支給が続いていたとみられる。 府警の制度は、勾留中に公費で食事や医療を提供される容疑者に対する生活保護費の「二重支給」を防ぐのが目的。勾留中の容疑者が受給しているとの情報があれば、府警が協定を結ぶ自治体に通知する。自治体は支給方法を口座振り込みから窓口払いに変更するため、容疑者が勾留中は保護費を受け取れない仕組みだ。こうした制度は大阪以外にはないという。 府警などによると、生活保護費
カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法が26日、公布、施行された。政府は同日、関係閣僚会議の初会合を開き、厚生労働省内に「依存症対策推進本部」を設置。依存症対策のため専門医療機関の指定を増やし、精神保健福祉センターなど全国67カ所に依存症相談員を配置する。 IR法は、カジノやホテル、大型会議場が一体となった施設の整備を推進する内容。施行後1年以内をめどに犯罪防止策など必要な実施法を策定する。中でも、ギャンブル依存への懸念からカジノ解禁への風当たりが強い。 このため、この日の会議では、まず依存症の実態把握の重要性を確認。厚労省研究班は平成25年度のアンケートによる調査で、依存症が疑われる人が成人人口の4・8%(約536万人)と推定したが、今年度から来年度にかけて面接調査により詳細な実態調査を計画している。 対策では広報啓発の強化のほか、依存症患者をカジノに入場させないための認
新法について児童養護施設、更生保護施設など関係者と議論した(9月8日、救世軍本営・山室軍平記念ホール) 売春防止法に基づく婦人保護事業に新法を求める動きが活発になってきた。全国婦人保護施設等連絡協議会(全婦連、横田千代子会長)は今春、「女性自立支援法(仮称)」の骨子をまとめた。女性ゆえの生きにくさを抱えた人に敷居の高い現行制度を改め、早く支援につなげて生き直しを支えることが狙いだ。1956年5月の売春防止法公布から今年でちょうど60年。全婦連は今後、新法の必要性を説明するキャラバンを組み、各地をまわる予定だ。 新法の検討は2015年7月から全婦連プロジェクトチームが進め、今年4月に骨子をまとめた。売春した女性を「要保護女子」という保護の客体ではなく権利の主体とすることが柱。自立に向けて切れ目なく支援できる体制を目指す。 売春防止法第4章「保護更生」に位置付けられた婦人保護事業には、「収容」
再犯防止対策に力を入れている法務省が、矯正施設である刑務所・少年院に収容されている受刑者らの職歴や資格、出所時期や帰住予定地などの情報を一括管理する矯正就労支援情報センター室(通称・コレワーク)をさいたま市と大阪市に開設した。雇用条件にあった受刑者らのいる刑務所・少年院を企業などに紹介することで、出所後のすみやかな就労に結びつける狙いがある。【鈴木一生】 コレワークは、全国の刑務所・少年院にいる就職希望者のデータベースを整備。職業安定法上、直接仕事の紹介はできないため、雇用を検討する企業がコレワークに雇用条件に合う人材の有無を問い合わせ、コレワークが条件に合う受刑者らがどの施設にいるかを回答する仕組みだ。
11日に公表された犯罪白書によると、昨年刑務所に戻った約1万3千人のうち、約7割が無職だった。出所後の雇用をどう確保し、仕事を続けられるように支えていくのか。再犯防止に向けた取り組みが進んでいる。 法務省は11月、刑務所や少年院にいる人たちが持つ資格や職歴、職業訓練の内容などの情報を、一元化して集める拠点「コレワーク」を埼玉と大阪に開設した。英語の「correction」(矯正)や「collection」(収集)が名称の由来だ。 出所時期や出所後に住む予定の地域などもデータベース化。企業がどの刑務所に求人票を出せば、希望する技能を持つ人材にたどりつくのかを助言する。 同省によると、昨年度に就労を…
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