知的障害者福祉施設の事務員、食品工場のパート、ホテルのフロント係、精神・身体的障害者福祉施設の支援員、老人ホームの相談員――。 2017年夏、関西在住の男性、Aさん(46歳)と喫茶店で面会した際に見せてもらった履歴書の職歴欄は、1ページに収まりきらないほどのボリュームだった。これまで転々としてきた職場の数を数えてみると、障害者福祉施設を中心に、11カ所にも及ぶ。 「転職10回」に見た社会福祉施設の過酷な現状 日頃は保育のブラック化など保育園の問題を取材している筆者だが、今回、Aさんの“転職人生”の話を伺ううちに、障害者福祉施設などの社会福祉業界全体に、保育園とも共通する職場環境の不備があることを改めて強く認識した。そこで、今回はAさんが転職の度に直面してきた福祉業界の過酷な現状を、リポートしてみたい。 Aさんは、とある有名大学への在学中、双極性障害(いわゆる躁うつ病)を発症した。新卒で4年
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