スタッフに質問しながら防災のチェックをする「障害者防災対策支援協会」の堀清和さん(右端)=大阪府高槻市で2016年2月12日、三浦博之撮影 災害時に逃げ遅れやすい障害者が被害に遭うのを防ごうと、大阪市西区の一般社団法人が、障害者が利用する福祉施設の防災体制づくりをサポートする事業に乗り出した。東日本大震災で障害者の死亡率は被災者全体の約2倍だったとされる。障害者の防災の充実が急務としてノウハウの普及を目指している。 「備蓄品はありますか」「送迎時の災害に対応できますか」−−。障害のある中高生が放課後を過ごす大阪府高槻市の施設「ふらっと」を訪れた一般社団法人「障害者防災対策支援協会」(障防協)のアドバイザー、堀清和さん(39)がスタッフに矢継ぎ早に尋ねた。 この診断は、ハードやソフト、障害特性への配慮など五つの領域で80〜100項目にわたって現状をチェックし、5段階で評価する。評価報告書が施
母親と次男がよく行ったという大阪市の障害者向け施設「アミティ舞洲」=大阪市此花区で2016年2月21日、山崎一輝撮影 介護に疲れたり、将来を悲観したりして、年老いた親が重度障害者のわが子に手をかける事件が相次いでいる。44年にわたって介護を続けた脳性まひの次男(当時44歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた大阪市の母親(74)は今年1月、大阪地裁の法廷で泣き崩れた。「後悔の念でいっぱい。本当にかわいい息子だった」【「介護家族」取材班】 母親は2014年11月22日午前8時ごろ、自宅で寝ていた次男の首を腰ひもで絞めて殺害したとされる。間もなく帰宅した長男(49)が異変に気付いて119番通報した。次男が息を引き取った後、母親は仏壇の前でお経をあげていたという。 この記事は有料記事です。 残り1393文字(全文1667文字)
知的障害などを抱え、犯罪を繰り返してしまう「累犯障害者」を地域で支えようと、弁護士と社会福祉士が手を組む試みが動き出している。福祉的なケアをまとめた「更生支援計画」を裁判所が認め、刑が軽くなった例もある。「ただ刑務所に入れるのではなく、背景に障害があることを理解して関わらなければ解決しない」と関係者は話す。 「刑務所には絶対に戻りたくない」。川崎市にある知的障害者のためのグループホームで、男性(40)は暮らしている。知能指数(IQ)は49。厚生労働省によると、70以下は知的障害とされる。前科・前歴は20を数え、実刑判決を6回受けた。「お酒を飲むと気が大きくなってしまう」。幼いころに両親に捨てられ、児童養護施設で育った。成人になってからは、ほとんどの時間を刑務所で過ごしてきたという。 徳田暁弁護士=横浜弁護士会=が5年前に担当になり、知的障害と犯罪の関係に着目。社会福祉士に相談し、精神鑑定を
宇都宮市などが導入を進める次世代型路面電車(LRT)計画で、同市都市計画課は21日、軌道敷設などを含む都市計画素案についての公聴会を市役所で開いた。公述人からは、賛否両方の意見が飛び交い、特に同市立平石中央小付近を通るルートの変更を求める意見が目立った。【野田樹】 公述人には男性26人女性6人の計32人が立ち、傍聴人73人が耳を傾けた。同小児童の保護者の女性は「学校のすぐ脇を通すのは全く理解できない。子どもの命を守ることを考えてほしい」とルート変更を訴えた。PTA関係者の男性も「予定ルートと校舎との距離を測ったら16メートルしかなかった。少なくとも学校から150メートルは離してほしい」と話した。同小卒業生の… この記事は有料記事です。 残り462文字(全文770文字)
当時16歳の娘に、30匹もの金魚の死骸を食べさせたとして、16日、母親と内縁の夫が逮捕された。また同日には、カップラーメンの麺が伸びていることに腹を立て、11歳の息子を殴ったとしてその父親が逮捕された。後を絶たない児童虐待であるが、今回の2件に共通する点として、虐待を加えた親たちが再犯であるという点にフィフィは注目する。 再び虐待する恐れがあるのに、なぜ子どもたちを親元へと返すのか? 16日に報じられた2件の児童虐待。これらに共通する点として、親たちが過去にも虐待の疑いで逮捕、ないしは子どもが保護されていたことがあるという点が挙げられます。本来なら、もう二度と起きてはならないことが起きてしまっているわけです。 なぜ、再び虐待を行ってしまう恐れがあるのに、子どもたちを親元に返してしまうのでしょうか。 そのひとつの要因として、子どもを親元に返すかどうかの判断を各自治体が下しているというのがある
認知症ねっと制作「認知症教室 第1回 認知症とは」を公開 この度「認知症ねっと」では、認知症の基礎知識を知ることができる動画チャンネル「認知症教室」を開設した。 知っていそうで知らない認知症、身近な人が発症しても、どう対処して良いかわからないと悩む人も少なくないはず。そこでまずは、認知症のことを理解することが大事で、認知症を知ることにより、その対策や予防につながると考えられる。 初回となる「認知症教室 第1回 認知症とは」は5分弱の作品で、日本での認知症の現状として、認知症患者とその予備群といわれる人の数や、認知症の種類とその割合、またそれぞれの種類による症状の違いを、医者のキャラクターを使ったアニメでわかり易く紹介している。 今後は生活習慣の改善方法や、脳機能のトレーニングなど、認知症の予防や進行を遅らせる方法なども紹介していく予定である。 5分でわかる認知症動画 ・認知症ってどんな病気
学校インターネット教育推進協会(JAPIAS)は20日、第18回全国中学高校Webコンテストの受賞結果を発表した。最優秀賞/文部科学大臣賞に選ばれたのは、芝浦工業大学柏高校の鈴木悠美さん、高橋七海さん、新千春さん、岡田璃香さんの4名が制作した作品「SITK子供貧困サミット」だった。 全国中学高校Webコンテストでは、中高生が興味のあるテーマをもとにチームで作ったWeb応募作品の中から優れたものを表彰している。 第18回コンテストには、 全国から363チーム、1526人が応募し、3段階による審査の結果、16チームがファイナリストとして選ばれた。 最優秀賞の「SITK子供貧困サミット」は、子どもの貧困問題が日本の将来にどのような影響を及ぼすのかについて、ポップなデザインや親しみのあるキャラクターを使ってわかりやすく伝えた作品。 そのほかに、総務大臣賞/日本オラクル奨励賞には、慶應義塾湘南藤沢中
神奈川県の有料老人ホームでの入居者連続死亡事件を契機に、施設での虐待問題への関心が高まっている。厚生労働省では毎年、高齢者虐待の状況を調べているが、最新のまとめでもその増加ぶりが明らかになった。 厚労省によると、2014年度に養介護施設従事者等による高齢者虐待と認められた件数は300件だった。これは、前年度より79件(35.7%)増加、2006年度の約5倍という数字になる。市町村への相談・通報件数は、前年より16.4%多い1,120件だった。 相談や通報した人は施設職員が 314 人(24.0%)で最も多く、次いで「家族・ 親族」が247人(18.9%)だった。 虐待の発生要因は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が184件(62.6%)で最も多く、「職員のストレスや感情コントロールの問題」60 件(20.4%)、「虐待を行った職員の性格や資質の問題」29 件(9.9%)が続いた。虐待
いつも朝日新聞デジタルをご利用いただきましてありがとうございます。 朝日新聞デジタルでは、以下のページについて配信を終了させていただきます。 配信終了後は、これまでに配信した記事もご覧いただくことができなくなります。 【配信を終了するページ】 ■ロイターニュース 2023年2月26日(日)配信終了 ・経済 https://www.asahi.com/business/reuters/ ・国際 https://www.asahi.com/international/reuters/ ・芸能 https://www.asahi.com/culture/reuters/ ・マーケット・サマリー(東京、NY、欧州) https://www.asahi.com/business/stock/market-summary/ ■東洋経済兜町特捜班 2023年3月26日(日)配信終了 https://ww
パート、アルバイトや派遣で働く非正規労働者の数が高止まりしている。総務省の労働力調査によれば、非正規で働く人は昨年12月で2038万人。全雇用者の38%と10年前の30%前後から増えている。2014年11月に初めて2000万人を突破。その後、さまざまな産業で人手不足が指摘されても、なかなか正社員は増える傾向にない。 東洋経済オンラインは昨年に続き、上場企業で働く非正規社員の実態を調査した。その実態を探るカギの一つが、上場企業が発行する有価証券報告書(有報)にある。有報にはいわゆる「非正規社員」が「臨時従業員」として規定され、その数が全従業員数の1割以上を占める場合、年間の平均人員を開示することが義務付けられている。 今回の調査では昨年から調査対象数を増やし、一般事業会社だけではなく、銀行、証券、生保、損保などの金融業界も加えた。そして、第1弾として、「非正社員が多い」トップ500社を掲載す
――本日は、非正規公務員問題に詳しい、上林陽治さんをお迎えし、お話を伺います。上林さん、こんにちは。 こんにちは。 ――不勉強で恐縮なんですが、公務員の世界にも非正規問題はあるのですか。 はい。地方自治体に勤務している職員の3人に1人は非正規公務員です。 2012年の総務省の統計で比較すると、最も身近な自治体である市区町村の正規公務員は約92万人(注1)、これに対し非正規公務員の人数は約40万人(注2)です。ここには任期6月未満や週勤務時間20時間未満の非正規公務員は含まれていませんから、実際はもっと多い。だから3人に1人。また正規公務員より非正規公務員の方が多い自治体も2012年には43団体あり、長野県の筑北村では役場職員の約7割が非正規公務員でした。 (注1)総務省「平成24年定員管理調査(平成24年4月1日現在)」 (注2)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成24年
事業縮小や再編で離職を余儀なくされた人の再就職を支援する国の助成金について、厚生労働省は4月から支給要件を厳格化する方針を固めた。人材会社が、企業にリストラ方法をアドバイスし、助成金が使われる退職者の再就職支援で利益を得るなどしているためだ。労働者を守るためのお金が、リストラを誘発しかねない仕組みになっている。 支給要件を見直すのは雇用保険を財源とする「労働移動支援助成金」。企業が雇用を維持できない状況になった場合、労働者を速やかに再就職させるため、再就職支援を人材会社などに委託すると企業に支給される。委託時に10万円、6カ月(45歳以上は9カ月)以内に再就職が実現すれば委託費用の一部が支払われる。上限は1人につき60万円。 厚労省が問題視しているのは、人材会社の関与だ。事業効率化を考えている企業に、人材会社が人員削減の手法を提案。上司が部下に退職を促す方法などを無料でアドバイスする。退職
生活に困っている難民申請者に国が支給する「生活援助費」を受け取っている人が、5年前に比べ半分以下と大幅に減っていることが、21日までに分かった。 平成22年に難民申請者の就労要件が大幅に緩和され困窮者が減ったとみられているが、支援者らは援助制度の周知が不足していると指摘、改善を求めている。 難民申請者が生活困窮を申請すると、外務省は公益財団法人「アジア福祉教育財団難民事業本部」による審査を経て原則4カ月間、月に生活費約4万5千円、住居費4万~6万円などを援助する。審査は聞き取りが主で大半は支給が認められ、困窮が続いていると判断されれば支給期間が延長される。最近の平均受給期間は14~15カ月程度。難民申請は繰り返しできるが、2回目以降の申請では援助費は支給されない。 難民申請者は、27年が過去最多の7586人となるなど増加しているが、受給者は22年3月末時点の353人が、27年3月末時点では
元日の夜、奥田知志さん(右奥)の自宅居間で恒例の食事会が開かれた。食卓を囲んだ元ホームレスの男性らが近況や今年の抱負を語ると、奥田さんは笑顔とうれし涙を見せた=北九州市八幡東区で、西田真季子撮影 <1面からつづく> ◆北九州 生涯かけた「神様探し」 「出会った責任」胸に 1月12日早朝、NPO法人「抱樸(ほうぼく)」理事長で、牧師の奥田知志(ともし)さん(52)はホームレスを支援する仲間と会うため、日本最大の日雇い労働者の街・あいりん地区(通称釜ケ崎、大阪市西成区)にいた。18歳の時に、釜ケ崎で寝起きする人々の過酷な現実を目の当たりにして人生が変わった。土木作業着売り場の電灯、荷物預け所、拾った物を路上で売る人、あいりん総合センターに布団を敷いて寝る人たち。当時に比べて人は減り、街はきれいに清掃されているが、「やっぱりここが原点」と言う。 滋賀県のサラリーマン家庭に生まれた。両親と5歳年上
【視点】触法の精神障害者に強制治療を行う心神喪失者等医療観察法が2005年7月に施行されてから丸10年が過ぎた。奈良県ではこの間、心の調子を乱しコントロール困難となり傷害などの事件に及び、刑事責任能力を問われなかった24人が対象になった。法務省奈良保護観察所(奈良市登大路町、荒慶一所長)の取りまとめによると、75%に当たる18人が事件前に福祉サービスを一度も利用したことがなかった。また、71%に当たる17人は事件前、最寄りの保健所などの関係機関に相談したことがなかった。 同観察所が2月18日、同法の指定病院や自治体などと開いた医療観察制度運営連絡協議会で報告した。 地域福祉や仲間づくりに縁がなく、孤立しがちな精神障害者が医療観察法の対象になる傾向があることは、以前から指摘されている。事件の発生は家庭内が多い。この取りまとめの数字から、どこに予算を投じれば、こうした事件を少しでも減らすことが
ハンセン病の国立療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)で、入所者が60年余り前から描いてきた絵画作品約430点をユネスコ世界記憶遺産に登録することをめざし、デジタル化する作業が3月から始まる。平均年齢84歳になった元患者たちの「生きた証し」を将来にわたって残そうと、記憶遺産の国内公募に応募する方針だ。 菊池恵楓園には1953年発足の絵画クラブ「金陽会」があり、会員が毎週金曜日に集まって創作に励んだ。国の誤った隔離政策で入所を強いられた人たちが心を癒やす場だった。 一時は15人以上いた会員も吉山安彦さん(87)だけになり、2003年から作品の展示会を企画してきた元熊本市現代美術館主任学芸員の蔵座江美さん(45)が「後世に残さなければ」と動いた。整理して保存に道筋をつけるねらいで、3月に作品の撮影を始める。作品は園内での展示のほか、世界中から鑑賞できるよう、インターネットでの公開も検討する。 吉山さ
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