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柳宗悦 民藝運動の検索結果1 - 23 件 / 23件

  • 柳宗悦の辛辣な「お叱り」と、事なかれ主義トート|塩谷舞(mai shiotani)

    先日、国立近代美術館で絶賛開催中である『民藝の100年』に行ってきたのだけれども、書きたいことがありすぎたので忘れないうちに書いておきたい。 1988年10月生まれの自分にとって、民藝活動の中心人物であった1889年3月生まれの柳宗悦はちょうど100学年違い……という雲の彼方の存在なのに、彼らの蒐集品や活動記録を鑑賞するのはまるで今日買ってきた雑誌を読むくらいに身近で素敵。故に展覧会を鑑賞するというよりも、本屋でずーーーっと雑誌の立ち読みをしているような感覚になって、結果4時間もへばり付いていた。 (再入場禁止ゆえ、途中トイレに出ることが許されないのが大問題。小洒落た来場者の多くは間違いなく、膀胱との闘いに挑んでおります!) あぁ、この燭台が欲しいな……とか、この李朝膳は私の欲しいやつと少し形が違うな……とか、今日の自分の暮らしとそれは地続きにあって、すごく楽しいし、使える。 で、使えるか

      柳宗悦の辛辣な「お叱り」と、事なかれ主義トート|塩谷舞(mai shiotani)
    • 43 ウポポイ | 工芸入門 高木崇雄 | ブログ | 工芸青花 kogei-seika

      この7月12日、北海道白老町・ポロト湖畔にウポポイ(おおぜいで歌うこと、を意味するアイヌ語を冠した、国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園・慰霊施設からなる、アイヌ文化の復興・発展のための「民族共生象徴空間」)が開園しました。また、この動きにあわせるように、昨年から今年にかけては「アイヌの美しき手仕事」展が北海道・宮城・東京を巡回しています。 このところ、東京での本展開催のために発行する冊子の編集作業に携わっていたのですが、校正作業のさなかに、原稿を頼んでいたアイヌ民族文化財団の方から要望を受けました。「アイヌ」という言葉を文章に用いる際、行をまたいで「アイヌ」の言葉があるならば、「アイ/ヌ」であれば問題はないが、「ア/イヌ」との表記にならないようにしてもらえないだろうか、と。曰く、アイヌの人々がこれまで受けてきた差別の歴史において、「アイヌ」を「あ、犬」と侮蔑的に用いた事例があり、今なお

      • 美術館にて母娘で舞い上がる - ママンの書斎から

        先日、とある企画展を鑑賞するために、娘と美術館に行ってきました。 ここ10日ほどの間に、学校の期末テスト、記述模試、実力テストと、テストを3つこなして疲れた娘と、気分転換です。 インフルエンザも怖いですが、今の娘には気晴らしが必要だと感じたので、マスクでガッチリガードして、開館直後のすいている時間を狙って行ってきました。 アートらしいアートに触れるのは、2月にワガノワ・バレエ の『くるみ割り人形』を鑑賞して以来でした。 www.mamannoshosai.com 美術館のショップにて アートなブックマーク ウイリアム・モリスについて エドガー・ドガについて 母娘で舞い上がる 子どものおかげで世界が広がる 美術館のショップにて 企画展については、まだ開催期間中なので、ネタバレNGなのかも……ということで、今日のところは書かないでおきます(^_^;)。 じゃあ何を書くのかと言うと、帰り際に寄っ

          美術館にて母娘で舞い上がる - ママンの書斎から
        • 『現代美術史』著者・山本浩貴に聞く「コロナ時代の(と)アート」

          『現代美術史』著者・山本浩貴に聞く「コロナ時代の(と)アート」「社会と芸術」の視点から第二次大戦以降の西洋と日本の美術を総覧した『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中公新書)を昨年上梓した山本浩貴。気鋭の文化研究者の山本に本書の狙いと「コロナ後」のアートに対する見解を聞いた。 聞き手=永田晶子(美術ライター) 山本浩貴 「美術史を複数化する」意識──手に取りやすく、かつ本格的な現代美術史の入門書は本書が国内で初めてではないかと思います。山本さんは1986年生まれで、正直その若さに驚きました。まずはその出版の経緯を教えていただけますか。 留学先であったロンドン芸術大学博士課程在学中にサントリー文化財団の若手研究者対象の研究助成に応募し、2016年度の助成をいただきました。その中間報告会が東京で行われ、そこで出版元の編集者と話したのがきっかけです。当初は90年代以降のいわゆるソーシ

            『現代美術史』著者・山本浩貴に聞く「コロナ時代の(と)アート」
          • 文化ナショナリズムに向き合い、乗り越えるために。山本浩貴評「アイヌの美しき手仕事」

            文化ナショナリズムに向き合い、乗り越えるために。山本浩貴評「アイヌの美しき手仕事」日本民藝館(東京)にて、アイヌ民族の工芸品を紹介する展覧会が開催されている。文化や民族の多様性とその重要性が再考されるなかで、周縁化されてきた少数民族の営みをどう見るべきか。文化研究者の山本浩貴がレビューする。 文=山本浩貴 イラクサ地切伏刺繍衣裳(テタラペ) 樺太アイヌ 日本民藝館蔵 いま、アイヌについて考えるということ──文化的本質主義の視点から 日本民藝館で開催中の「アイヌの美しき手仕事」展の意義について、同館HPでは「柳がアイヌの工芸から受けた『真実なものへの強い感銘』を本展を通して共有することで、民族の多様性を尊重する社会へと繋ぐこと」と説明される。本展に収められた「イラクサ地切伏刺繍衣裳(テタラぺ)」など染織物を中心とするアイヌの人々の手仕事による工芸品は、細部に至る配慮のなされた精妙な品々である

              文化ナショナリズムに向き合い、乗り越えるために。山本浩貴評「アイヌの美しき手仕事」
            • 【開館中の展覧会まとめ】あきらめるのはまだ早い!首都圏で現在楽しめる、オススメの美術展10選

              アート 【開館中の展覧会まとめ】あきらめるのはまだ早い!首都圏で現在楽しめる、オススメの美術展10選 2020/3/4 アート コメント: 0 投稿者: かるび 2月末に政府から発表された「大規模なスポーツ・文化イベント自粛」要請を受け、東京・大阪など大都市圏の美術館・博物館は3月中旬頃まで軒並み休館を決めました。 便利なもので、Internet Museumや美術手帖、OBIKAKEなど、展覧会や美術館などの各種情報サイトでは刻一刻と変わる美術館・博物館の休館状況をこまめにアップデートしてくれています。 こうしたまとめ記事を見てみると、関東・関西の中規模以上のミュージアムは軒並み休館となっていますよね。展覧会が好きなアートファンにとってはとってもつらい状況で、大量の美術館難民が発生していると思われます。 僕自身もその一人となってしまったのですが、そこで改めて思ったのが、「では、今はどの展

                【開館中の展覧会まとめ】あきらめるのはまだ早い!首都圏で現在楽しめる、オススメの美術展10選
              • リミナルスペース座談会|かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン

                ※この記事は、「第三十四回文学フリマ東京」(2022年5月29日(日))にて頒布予定の『感傷マゾvol.07 仮想感傷と未来特集号』に掲載予定の「架空のノスタルジー座談会」の中から、「リミナルスペース」に関する部分を抜き出したものです。 Twitterのリミナルスペースbot(@SpaceLiminalBot)が投稿した画像を見ると、「一時的に立ち寄る無人の場所」から懐かしさと不気味さが共存した感情を覚えます。深夜のオフィスや閉店後のデパート、もしかすると子供の頃に見た夢の中で似たような場所を歩いたことがあるのかもしれません。この言語化が難しい不思議な場所について、今回はノスタルジーに詳しい三人の方と座談会でお話させていただきました。 「架空のノスタルジー座談会」では、その他にも面白いお話がされており、現在、編集作業中です。 「もしも、生まれつきVR機器が手元にある世代にとっての思い出とな

                  リミナルスペース座談会|かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン
                • 伝統ある湯町窯 と お洒落なエッグベーカー✨ - すまりんの てくてく ふたり旅

                  本日は 島根県にある窯元「湯町窯」と 購入した「エッグベーカー」のお話です(^_-)-☆ 湯町窯(松江市玉湯町) 1922年(大正11年)創業の歴史ある窯元です JR玉造温泉駅からほど近く 電車でのアクセスも便利(^_-)-☆ 車で行かれる場合は 裏手に広い駐車場があります お店に入ると いろいろな焼き物がいっぱい(*'▽') 黄釉(きぐすり)と呼ばれる釉薬を使った黄色い器が目を引きます✨ 大正から昭和にかけて 手仕事によって生み出された日常づかいの雑器に美を見出そうとする民藝運動(みんげいうんどう)が起こりました 「用の美」という言葉を聞かれたことのあるかたもおられるかもしれません 提唱したのは柳宗悦・富本憲吉・河井寛次郎・濱田庄司といった芸術家たちです 彼らに共鳴した人々のなかに バーナード・リーチというイギリス人陶芸家がいました 彼は古来からの伝統技術でありながら産業革命によって失わ

                    伝統ある湯町窯 と お洒落なエッグベーカー✨ - すまりんの てくてく ふたり旅
                  • 断捨離(だんしゃり)とミニマリズム:「もの」と「こころ」 - 虚虚実実――ウルトラバイバル

                    断捨離(だんしゃり)とミニマリズム:「もの」と「こころ」 私は以前(5、6年ほど前)、その頃話題となっていた断捨離という方法論を拙ブログで取り上げたことがありますが、その当時とは受け取り方が違ってきたため、この断捨離と、とても近い意味を持つミニマリズムを、併せて考察しようと思います。 まず、そのブログから、めぼしい点を引いてきます。 iirei.hatenablog.com この断捨離という言葉は、ヨガの発想から学んだという「やましたひでこ」さんが発案し、流行語にもなり、あまりの反響に彼女は登録商標したそうです。 一種の「掃除術」「片付け術」ではあると思うのですが、やましたさんに言わせると、それに留まるものではなく、「物」とそれを所有する人の「心」との相互関係を見直すという意図のある行動なのだそうです。 これはいかにも東洋哲学が導きだしそうな結論です。私も土台は中国哲学の老子に持っています

                      断捨離(だんしゃり)とミニマリズム:「もの」と「こころ」 - 虚虚実実――ウルトラバイバル
                    • 友の会からクラファンまで。苦境の美術館・博物館を支援する方法

                      友の会からクラファンまで。苦境の美術館・博物館を支援する方法「with コロナ」の時代において、大型展の予約制(定員抑制)を取り入れてる美術館・博物館は入場料収入も落ち込んでいる。こうした状況のなか、ミュージアムを支援できる方法をまとめた(本稿は2021年5月22日掲載記事の再編集版です)。 独立行政法人国立美術館のオンライン寄付サイト 「with コロナ」の時代において、各美術館・博物館はコロナ前と比較し、展覧会の入場者数(入場料収入)は大きく落ち込んでいる。また原油高や輸送コストの増大などからの影響も避けて通れない。ミュージアムがこうした状況にあるなか、様々な支援する方法をまとめてみた。思い入れのある美術館や、地元の美術館など、ぜひ支援してみてほしい。 美術館「友の会」に入会する 美術館の活動をサポートし、展覧会の割引などの様々な優待を受けられる「友の会(メンバーシップ制度)」。ただ支

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                      • ベーコンから平成展、KAWSまで。2021年に注目すべき展覧会ベスト20

                        ベーコンから平成展、KAWSまで。2021年に注目すべき展覧会ベスト20多くの展覧会が中止や会期変更となった2020年。2021年も数々の注目すべき大規模展覧会が予定されている。ここでは、編集部がとくに注目したい展覧会20件を会期順に紹介する。 Chim↑Pom SUPER RAT -Scrap & Build- 2017 ※参考図版 Photo by Morita Kenji Courtesy of the artist, ANOMALY and MUJIN-TO Production 田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品(千葉市美術館、2021年1月5日〜2月28日)田中一村 アダンの海辺 1969 個人蔵(千葉市美術館寄託) (c)2020 Hiroshi Niiyama 千葉市に20年住んだのち、50代になって奄美大島に移住。亜熱帯の花鳥や風土を題材にした独特の日本画を描く田中一村(

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                        • 変わらないものと移りゆくものたち。倉敷・美観地区を訪ねて - Miyukeyの気まぐれブログ

                          朝晩、冷え込むことが多くなりました。 冬の足音が聞こえてきましたね。 今回、ご紹介するのは、先月訪れた岡山県の倉敷美観地区。 伝統的な建築物が残る美しい街を歩き、感じたことを綴りたいと思います。 ☆注)今回の記事で使用した画像は全て2020年10月19日~21日に Miyukeyが倉敷で撮影したものです。 ☆倉敷美観地区とは 江戸時代には幕府の直轄地にもなった輸送物資の集積地として、 明治時代には倉敷紡績を中心に繊維産業の町として繁栄。 文化財級の建築物や蔵、町家が集まり、伝統的建造物群保存地区に指定されている。 抜粋: るるぶ岡山 倉敷 蒜山'20 (るるぶ情報版地域) 町の中心をゆったりと流れる倉敷川。 そこを通る川船と真っ白な白鳥たち。 白と黒のなまこ壁。 風に揺れる柳の木と人力車。 何百年も昔の景観が、 今もなお大切に保存されている美しい街。 それが倉敷・美観地区です。 秋風になび

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                          • 柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年 | 東京国立近代美術館

                            柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年 100 Years of Mingei: The Folk Crafts Movement 展覧会について 見どころ カタログ レビュー 開催概要 今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのでしょうか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことです。 柳宗悦の没後60年に開催される本展覧会は、各地の民藝のコレクションから選りすぐった陶磁器、染織、木工、蓑、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数450点を超える作品と資料を通して、民藝とその

                            • エキちゃんと、河井寛次郎記念館 - 続キロクマニア

                              みなさま、こんばんわぁあです 最近、夜中に何度も目が覚めるんですよねー 寝付きは相変わらずすごく良いんですが 1時間おきぐらいに目が覚めたり なんとなく不快な感じがしたり なんでしょう? 体内の温度調節がうまくできてないのかな うーーーん、いやだなぁ 2月某日 朝早くから、京都市内に来ていたので かねてから行きたいと思っていたところへ この機会にと行ってきました 通りすがりの古民家の窓が素敵 ハイ、こちらです 住宅街の中にひっそりとあります 京都・東山五条 「河井寛次郎記念館」です 入館料は、おとな1人900円ですが 結論からいうと、年パス買いたいですw 河井寛次郎は 大正・昭和にかけて 京都を拠点に活躍した芸術家で 「民藝運動」にも大きく関わった人物です 民藝運動とは 1926年に 柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司らによって 提唱された生活文化運動で 名もなき職人の手から生み出された 日常の

                                エキちゃんと、河井寛次郎記念館 - 続キロクマニア
                              • 深澤直人著 『ふつう』 発刊によせて

                                民藝もサステナブルも、 そして、ロングライフデザインも、 ひとことで言えば“ふつう”です。 デザインが大好きな人なら記憶に残っていると思います。 深澤直人というデザイナーの出現(笑)を。僕もそんな一人でした。 デザイン関係者の注目の一つ、アメリカのデザイン事務所「IDEO」。その日本法人が立ち上がるということ、そして、代表者であるデザイナーの深澤直人さんに、日本中が注目した頃がありました。その後、日本デザインコミッティーや無印良品、武蔵野美術大学など、活動の範囲をさまざまに広げていく深澤さん。そんな初期の頃に、dは「VISION'D VOICE」というクリエイターのインタビューCD(現在もiTunes Storeでダウンロードして聴けます)を企画し、注目のさなかにいる深澤さんにお願いし、僕がインタビュアーとしていろんな質問をしていく中で、また、デザイン誌『アイデア』特別号としてD&DEPA

                                  深澤直人著 『ふつう』 発刊によせて
                                • 「幻の石橋」 - 松村かえるの「かえるのねどこ」

                                  大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI ) 朝倉地域に隣接する、人目の付かない地にひっそりとたたずむ「幻の石橋」の歴史解明に情熱を注ぐ高校生がいる。福岡県朝倉市の朝倉高2年で、史学部部長の中原透也(とうや)さん(17)だ。石橋は全国的にも数少ない工法で架けられているが、劣化が進み崩壊の恐れもあるという。「貴重な土木遺産を後世に」と橋の由来を調べるが、「まずは多くの人に石橋の存在を知ってもらいたい」と願う。 ひっそりとたたずむ「幻の石橋」…謎の解明に情熱注ぐ高2|【西日本新聞me】 2020年の記事です。これで存在が一気にひろまり、いつのまにか「幻の石橋」として有名になりました。 23日、通りがかったので車を停め、現在の国道から見下ろして撮影してみました。 国道211号掛橋橋から、見ることができます。なお、現国道から下りる道はありません。 現地の地理

                                    「幻の石橋」 - 松村かえるの「かえるのねどこ」
                                  • 民藝のための婉曲語法。東京国立近代美術館「民藝の100年」展レビュー

                                    民藝をとらえ直す大規模な展覧会「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」展を、批評家の清水穣がレビュー。 会場風景より、写真左から《鉄砂虎鷺文壺》(17世紀後半)、《染付鉄砂葡萄栗鼠文壺》(17世紀末期〜18世紀初期)、《染付辰砂蓮花文壺》(18世紀後半) 宗教哲学者であり、文筆活動を主体として民藝運動を推し進めた柳宗悦。その没後60年を記念展し、東京国立近代美術館にて「民藝の100年」が開催中だ。 「民藝(民衆工芸)」とは、ありふれた「平凡な、当たり前な品」に美を見出す思想のこと。その思想の背景には行き過ぎた近代化を反省し、自分たちの足元(ローカル)を見つめ直すという時代の流れ、そして資本主義の矛盾に苦しむ地方の農村や産業の姿があった。本展はこうした状況への「実践」として民藝をとらえ直すため企画された。 多数の作品と資料で6章にわたって民藝の全貌を読み解く本展だが、じつは省略されたていた

                                      民藝のための婉曲語法。東京国立近代美術館「民藝の100年」展レビュー
                                    • 山本鼎 - Wikipedia

                                      山本 鼎(やまもと かなえ、1882年〈明治15年〉10月14日 - 1946年〈昭和21年〉10月8日) は、日本の版画家・洋画家・教育者。 愛知県額田郡岡崎町(現・岡崎市)出身。16歳からは長野県上田市に住み、美術の大衆化、民衆芸術運動のなかに身を投じた。長男は詩人の山本太郎。画家で詩人の村山槐多は従弟。 来歴[編集] おいたち[編集] 1882年(明治15年)10月14日、愛知県額田郡岡崎町(現在の岡崎市)に父一郎、母たけの長男として生まれた[1]。間もなく、漢方医の父が医師資格取得に必要な西洋医学を学ぶため上京、一家は東京浅草区山谷町に移住した[1]。小学校を卒業した鼎は、浜松町の木版工房で桜井暁雲(虎吉)の住込み徒弟となり[1]、版画職人として自立する道を歩み始める。鼎16歳のとき、父が長野県小県郡神川村大屋(現上田市)に医院を開業[1]、一家は移住、鼎にとって上田は第二の故郷と

                                        山本鼎 - Wikipedia
                                      • FTR223:ようやく秋のシーズン開幕 - シニアライダーの日常・R1200Rと共に

                                        先日R1200Rを約4か月ぶりに動かしてやったので、今回はFTR223の番です。 過去の記録をたどってみると、5月の初めにRとFTRの2台で娘と成田空港までツーリングしたのが最後でしたから、FTRを始動するのは5カ月半ぶり、そして私自身が乗ったのは更に前の4月下旬で、実に半年ぶりです。 www.boon-senior.com www.boon-senior.com www.boon-senior.com どこへ行くというあてがある訳ではなく、エンジンを回してやることの方が主旨ですから、近くの手賀沼周辺を流して来ることにしました。秋晴れの上天気で、のんびり走るだけでとても気持ちが良かったです。 10時頃にトランクルームから出発しましたが、先日のR1200Rの時と同様、セル一発で始動しました。Rはインジェクション仕様ですからまだわかるのですが、FTRはキャブ式にもかかわらず大したものです。まだ

                                          FTR223:ようやく秋のシーズン開幕 - シニアライダーの日常・R1200Rと共に
                                        • 宮崎駿の神と革命(ノート)――『君たちはどう生きるか』から『風の谷のナウシカ』へ|杉田俊介

                                          ★以下は、学習院大学での講演@二〇二三年十一月二五日のために事前に準備したノートです(ディスカッションを受けて、後日の加筆修正あり)。いつか書かれるべき『ナウシカ論』のための助走用のノートでもあります。ご批判を受けながら時間をかけて書き進めていくつもりです。よろしくどうぞ。(現状約32,000字) こんにちは。本日はお招き頂き、ありがとうございます。在野で、独学で批評を書いて生業にしている杉田俊介と言います。 まずは個人的な話からはじめます。私はこれまでに『宮崎駿論――神々と子どもたちの物語』(二〇一四年)、『ジャパニメーションの成熟と喪失――宮崎駿とその子どもたち』(二〇二一年)という本を刊行しました。『宮崎駿論』は幸いにも繁体字と簡体字に翻訳され、後者はまもなく繁体字版が刊行されます。後者の「あとがき」にも書いたのですが、わたしの宮崎駿論は三部作の構想になっています。もう一冊、『千と千

                                            宮崎駿の神と革命(ノート)――『君たちはどう生きるか』から『風の谷のナウシカ』へ|杉田俊介
                                          • 工芸っていったいなんなんだ?超解説|茶の間ラボ|note

                                            工芸という言葉は明治時代に誕生した①ART=芸術という概念が輸入された。 ②FINE ART=美術、CRAFT=工芸と翻訳した。 ③江戸時代までの制作物も明治に誕生した概念によってわけられた。 日本美術はアートではなく装飾江戸時代までの日本美術はこんなものだった。 ●絵画 「蓮池水禽図(れんちすいきんず)」俵屋宗達 京都国立博物館 ●屏風 「檜図屏風」狩野永徳 東京国立博物館 ●着物 「白綸子地御簾松文様絞繍小袖(しろりんずじみすまつもんようしぼりぬいこそで)」 京都国立博物館 ●甲冑 「仁王胴具足(におうどうぐそく)」 東京国立博物館 ●鞍 「鶴亀蒔絵鞍鐙(つるかめまきえくらあぶみ)」 東京国立博物館 ●硯箱 「男山蒔絵硯箱」 東京国立博物館 ぜんぶ尾形光琳 「竹虎図」尾形光琳 京都国立博物館 「八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)」 尾形光琳 東京国立博物館 「小袖 白綾

                                              工芸っていったいなんなんだ?超解説|茶の間ラボ|note
                                            • 生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ (展覧会)- 東京国立近代美術館

                                              「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903-1975)。一心不乱に版木に向かう棟方の姿は、多くの人々の記憶に刻み込まれています。棟方が居住し、あるいは創作の拠点とした青森、東京、富山の三つの地域は、それぞれに芸術家としての棟方の形成に大きな影響を与えました。棟方の生誕120年を記念し、各地域の美術館(富山県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)が協力して開催する本展では、棟方と各地域の関わりを軸に、板画、倭画、油彩画といった様々な領域を横断しながら、本の装幀や挿絵、包装紙などのデザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたるまで、時代特有の「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた棟方の多岐にわたる活動を紹介し、棟方志功とはいかなる芸術家であったのかを再考します。 国際展受賞作から書、本の装画、商業デザイン、壁画までー「世界のムナカタ」の全容を紹介 代表的な板画作品はもち

                                                生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ (展覧会)- 東京国立近代美術館
                                              • 『BRUTUS』『広告』編集長に訊く「本当にいいモノって何ですか?」カケルメルカリ06:西田善太・小野直紀

                                                長嶋 今回は、いま影響力をもつ雑誌の編集長を務めるお二人をお招きして、「そもそも“良いモノ”ってなんだろう?」というテーマのもと話をお伺いできればと。早速ですが、お二人は“良いモノ”をどのように定義されていますか? 西田 このまえClubhouseで小野くんと話していて、「いま価値があると思っているものは、実は自分以外にそう思わされている可能性がある」という話題が出て、おもしろいなと。なので、まずは小野くんから改めて話してもらっていいですか?? 小野 はい。雑誌『広告』のリニューアル創刊号の特集がまさしく「価値」だったんですが、いま西田さんにご紹介いただいたのは、そのとき文化人類学者の松村圭一郎さんに取材したなかで出たフレーズですね。人によって価値観が違うのは前提として、パッと見たものの価値を独自に判断するのは意外に難しいっていう。 西田 小野くんが個人的に“良い”と思うモノって? 小野 

                                                  『BRUTUS』『広告』編集長に訊く「本当にいいモノって何ですか?」カケルメルカリ06:西田善太・小野直紀
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