片頭痛を抑える注射薬が、この春以降、相次いで登場しています。片頭痛の原因とされる物質の働きを妨げるもので、従来の治療がうまくいかなかった患者に対しても症状の改善が期待されています。(影本菜穂子) 片頭痛は月に1、2回以上、頭の片側がズキズキと痛む発作が起きる状態を指します。痛みは数時間から3日間続き、吐き気を伴う場合や、光や音に過敏になることもあります。仕事や学業への影響も少なくありません。国内では、片頭痛がある人は約840万人と推計されています。20~40歳代が目立ち、女性が男性の4倍に上ります。 片頭痛は、脳内の三叉(さんさ)神経から出る「CGRP」という物質が血管に取り込まれることで起こると考えられています。天気の変化やストレス、飲酒などの刺激でCGRPは過剰に放出され、血管が広がり炎症を引き起こすとされています。 片頭痛が起きた時の治療薬には、痛み止めの薬や、血管の炎症を抑える「ト