子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染するのを防ぐための「HPVワクチン」について、厚生労働省が積極的に接種を勧めるのをやめてから6年になる。接種ががんの発症を減らせることを示唆する複数のデータが公表される一方で、重い副反応への心配も消えたとはいえない。 効果示す研究発表 相次ぐ 東京都の会社員女性(48)は、中学3年の長女(14)へのワクチン接種について悩み続けている。 娘が子宮頸がんになるのを防ぎたい。効果はあるのだろうが、娘に重い副反応が起きないか不安だ。夫(51)も娘を説得してでも「接種してほしい」とは言えないでいる。女性は「娘がどう考えているかを聞くことができずに、日々が過ぎていく」と話す。 子宮頸がんは性交渉でHPVに感染することで起こる。HPVは感染してもほとんどは自然に消えるが、感染し続けると前がん病変ができ、一部ががんになる。ワクチンは、がん