中国貴州省の貧困地域で兄妹4人が6月初め、農薬を飲んで自殺した。親が出稼ぎで家を離れ、孤独な暮らしを強いられていた「留守児童」だった。事件は社会に衝撃を与え、経済規模で世界2位の「大国」が抱える貧困問題を改めて浮かび上がらせた。兄妹が住んでいた村を訪ねた。 事件発生5日後の6月14日、現場となった中国内陸部、貴州省畢節市の茨竹村を目指した。市中心部から車で約3時間、起伏の激しい山道を進むと、トウモロコシ畑が広がった。その一角に、兄妹4人が住んでいた家があった。入り口には鍵がかけられ、警官らが見張っていた。 同じ村に住んでいる張啓付さん(40)が、事件当時の様子を語ってくれた。6月9日午後11時ごろ、「どん」という音が聞こえ、イノシシが鳴いているような声も耳にした。驚いて屋外に出ると、数十メートル先の兄妹の家の前で少年が倒れているのが見えた。少年はけいれんしながら水分を吐き、今にも息絶えそう
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