世界に先例のない急激な人口減少に向かう日本。われわれは、大胆な発想の転換を迫られる。 北海道の玄関口・新千歳空港から雪道をバスで1時間余り。乗客はわずか3人。バスを降り、市役所周辺の市街地を歩いたが通行人はない。 北海道夕張市。かつて炭鉱の街として栄えたが、40年ほど前から相次いで閉山、ピーク時には12万人近くいた人口も現在は1万人を割り込んだ。 高齢化も急速に進む。夕張市の高齢化率(総人口に占める65歳以上の比率)は全国の市でトップ。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)によると、2010(平成22)年に43・8%だった高齢化率は15年に49・0%、東京五輪が開かれる20年には52・6%と過半数を占める見通しだ。 ◆税も下水も値上げ 夕張の姿は決して人ごとではない。07年から7年連続で人口が減少している日本の未来図でもある。 社人研は現在約1億2750万人の日本の総人口が、60年に867