そのとき、TOKIOの城島茂はたった一人でゴールテープを切った。ほかの4人のメンバーは、扉の外からジェスチャーで、お前は一人でゴールしろ、と笑いながら伝えていた。戸惑いながらも一人きりでゴールした城島茂に、羽鳥慎一アナが言う。「TOKIOは『ゴールを一緒にしたくない』と言っています。なぜなら、今年は関ジャニ∞の24時間だからです」。城島茂はそれを聞いて、初めて納得のいった表情を浮かべた。彼は最後まで、一滴の涙もこぼすことはなかった。 今年もまた、日本テレビ系『24時間テレビ 愛は地球を救う』が放送された。毎年ながら、この日本最大のチャリティ番組に浴びせられる冷ややかな声は多い。感動の押し売り。愛という名の偽善。実際に、突っ込もうと思えば突っ込みどころは山のようにある。しかしだからと言って、それがなんだ? テレビとはそもそも、多様性を担保するメディアだ。不愉快ならばチャンネルを変えればいい。