6月8日に行われたアップルの開発者向け会議(WWDC 2015)。その基調講演で発表された内容を振り返り、なぜ彼らが「One More Thing」という故スティーブ・ジョブズの名セリフを用いて、新しい音楽サービスをローンチしたのかを分析しておきたい。なぜなら、新サービスのローンチこそがアップルが作るデジタル製品の軸足を明確に移したことを示しているからだ。 アップルは、得意の音楽業界とのリレーションを通じて、今後も引き続き新しい世代に対しても最上級のブランドであるためにiTunesとiTunes Storeを中心としたデジタルコンテンツのエコシステムをアップデートし、「音楽販売」に関するブランドを一新することで時代に対応しようとしている。 アップルの躍進の原点には音楽があった そもそもアップルの今に至る躍進の歴史の原点を振り返ると、そこには音楽があった。彼らがコンシューマー市場において大き