けっこう一生懸命仕事をしており、周囲もそれを認めて非難する人はいない。本人もまったく疑問に思っていないのだが、成果はほとんど出ていない――。あなたがそういう状態に陥っていると指摘されたら、どう思うだろうか。 元リクルートの海老原嗣生氏は、そんな「仕事をしたつもり」の例をあげ、パターンを分析していく。そして、中身のない仕事に追われているだけなのに「バタバタしていて…」と嘆く時間と労力の無駄はやめようと呼びかける。 昔なら不要な仕事がいつのまにか当たり前に ――この30年でさまざまなOA機器が普及しました。コピー、ファクス、パソコン、プロジェクター、プリンター、携帯電話、インターネット…。その結果はどうか? 数字的には、ひとり当たりの総労働時間は、1976年から2006年までの30年間で約11%減っています。家事労働(14%)ほどではないですが、それなりに「効率化」が進んだとも見てとれるでしょ