遅ればせながら、「不安な個人、立ちすくむ国家」をゆっくり読んでみました。 「ペーパー」への批判として良く目にしたものに、「具体性がない」「社会システムと政治がごっちゃになっている」「少子化の問題をについて触れられてないから失格(*)」また、「(生きがいや目標について)「人それぞれでしょう」の様なものがありました。これらについて、ペーパーに書かれていない部分について、そしてちょっと思いついたことなどについて書いてみたいと思います。 僕は有識者に挙げられている大澤真幸さんと鈴木健さんの本をちょっと読んだことがある程度で、出席した誰かに知り合いがいるわけでも何でもないので、全然見当違いかもしれませんが。 これは大きな物語のお話です。大昔は宗教や「家」、大戦中は「大君」という、有識者の一人の大澤氏の言葉で言えば「第三者の審級」がありました。自分の外側に自分を見守り、あるいは批判する大きな視点があっ