いいことがあったり、仕事で脳を使ったり、単に魔が差したりしたとき、ささやかながらケーキをいくつか買って帰ることがあります。 そのときは、たいてい右のような形の箱に入れてくれます。この箱を見ると、中身のケーキが見えているわけでもないのに、なんとも幸せな気分になりませんか。 が、ケーキという、か弱きオブジェクトを運ぶコンテナが、このようなこれまた繊細な構造の、しかも紙の入れ物に入っているのは、よく考えたらかなりの危うさではないか。そう思い始めたらむずかゆくなってきたので、なんとかしてみよう。 (乙幡 啓子) めったにない、マンガみたいな場面ですが 例えば、ケーキを運ぶ者ならば誰しも一度は頭によぎる、凄惨な事故。 ケーキ箱を、うっかりイスの上に置いて、そのまま忘れてしまったとしよう。