「沖縄の人たちは酒を飲んだあとにラーメンでなく、ステーキを締めで食べながらまた飲み直す」 というものだった。僕が沖縄で文筆活動を続けていたから依頼があったのだろうが、はっきりいう。沖縄人がアルコールを飲んだあと、締めにステーキを食べるなどという食習慣は断じてない。沖縄には飲み友達もたくさんいるが、飲んだあとにステーキで締めるなんてことは一度もやったことがない。 なぜ、そんな都市伝説が生まれたのかを解明するのはたやすい。沖縄のステーキハウスは深夜も営業している店が多く、早朝まで開けているところも少なくない。つまり、ステーキハウスながら、遅くから飲み始めた人たちや、飲食店などのシフト制で夜遅く勤務を終えた人たちの飲食の場にもなっているのだ。
