特定秘密保護法に基づき、政府の特定秘密の指定が適切かどうかをチェックする衆院情報監視審査会は29日、2016年の年次報告書をまとめ、大島理森衆院議長に提出した。報告書では、15年末時点で指定されている計443件の特定秘密のうち4割弱に当たる166件で文書がないことを指摘し、政府に是正を求めた。 政府は文書がない理由について「あらかじめ指定したが情報が得られなかったり、行政文書はないが、担当者の『知識』を特定秘密に指定したりした」と審査会に説明。文書がない166件のうち、具体的な情報がない時点で事前指定したのは15件(外務省5件、防衛省4件、内閣官房4件など)。担当者の「記憶」や「知識」のみを指定したのは10件(防衛省9件、公安調査庁1件)あった。 報告書は、事前指定について「対象が際限なく広がらないようにする法の基本原理から外れている」。知識への指定は「秘密が漏れた際、秘密を知る人以外に立