「2020年までに女性管理職比率を30%に」を合言葉に、政府が旗をふる「女性活躍推進」。しかし、「活躍予備軍」であるはずの20代大卒女性からはこんな声が漏れてくる。「普通に働きたい」「『活躍』より『家族との時間』が大事」。男女雇用機会均等法施行から30年あまり。社会全体が活躍を後押ししようとする中、彼女たちの心が動かないのはなぜなのか。 (ライター・石臥薫子/Yahoo!ニュース 特集編集部)
能力・成果主義と年功序列。IT人材にとって、どちらの人事評価制度の給与水準が高いのだろうか――。この実態を把握するのに役立つ調査結果を、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が2017年8月21日に公表した。 経産省とIPAが実施した調査は、「IT関連産業の給与等に関する実態調査」。IT関連企業368社とIT関連企業に勤務する個人5000人の回答を基に、IT関連企業の給与や人事評価制度の状況を分析したものである。 経産省はまず企業に対し、給与水準に対する「年功」の影響度を尋ね、「非常に大きい」または「大きい」と回答した企業を「年功型」、「小さい」と回答した企業を「中間型」、「まったくない」と回答した企業を「能力・成果重視型」と分類。その上で、これら三つのタイプごとに25歳、35歳、45歳、55歳時点の年収水準を比較している。 結果はどうか。能力・成果重視型と年功型の年収水準の推移を見てみよ
長時間労働の是正が社会問題となるなか、厚生労働省は企業への立ち入り調査や是正勧告などをより強化しようと来年度、労働基準監督官を100人増員する方針を決めました。 企業の立ち入り調査や是正勧告などを行う労働基準監督官は3291人いますが、対象となる事業所のうち去年1年間で実際に監督や指導ができたのは全体のおよそ4%の16万9000にとどまっています。 長時間労働の疑いがある企業への監督・指導や労災の申請件数が増加し、労働基準監督官の人数不足が背景にあるということで、厚生労働省は来年度、労働基準監督官を100人増員する方針を決めました。 また、調査の初期段階の点検や相談などは労働基準監督官のOBを活用したり社会保険労務士に委託したりして負担の軽減を図るとしています。 厚生労働省は関連する予算およそ20億円を来年度の概算要求に計上し、長時間労働の是正に向けた監督指導体制を強化することにしています
まわりが残業していても、自分の仕事が終われば帰ろう――。そう考える新入社員が約半数にのぼることが、日本生産性本部が26日発表した新入社員の意識調査でわかった。長時間労働の是正など「働き方改革」への関心が高まるなか、自分の時間を大事にしたいという意識が高まっているようだ。 仕事についての考えを問う質問で「職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る」という項目に「そう思う」「ややそう思う」と答えた人の割合は計48・7%。前年度より9・9ポイント高く、同じ質問を設けた2001年度以降で最高だった。「職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない」という項目では「そう思う」「ややそう思う」が計30・8%。前年度より10・1ポイント高く、こちらも過去最高だった。 「デートの約束があった時、残業を命じられたら」との質問には「ことわってデートをする」が前年度より6・1ポイ
女性活躍の時代に「無業」の女性たち 日本では少子高齢化が進むとともに、現役世代、つまり働き手が減りだしている。 1995年に約6700万人いた労働力人口は、2015年には約6075万人となり、600万人以上減少した。 現在、男性のほとんどはすでに働いているので、新しい労働力として期待できるのは女性しかない。そういう背景もあり、アベノミクスでは一億総活躍・女性が輝く社会の実現が掲げられ、女性の就業継続を図るだけでなく、管理職比率を上げる動きなども見られる。 世はまさに、女性の活躍ブームであるが、ほんとうに社会は活躍する女性で溢れているだろうか? 一方で、最近では「女性の貧困」も社会的な課題として取りあげられるようになっている。 これまで日本では、女性は未婚時代には親に、結婚してからは夫に養われる前提で、安く働く存在として扱われてきた。 その状況はいまでも変わらず、「女性の活躍」と言われながら
最近、人手不足が日本経済の制約要因になりつつあるとの見方が増えている。 失業率は完全雇用とされる3%程度での推移が続いていたが、2017年2月には2.8%と1994年12月以来の2%台に低下、3月も2.8%だった。また、有効求人倍率は2013年11月以降、求人数と求職者数が一致する1倍を上回り続け、2017年3月には1.45倍と約26年ぶりの水準まで上昇している。 日銀短観2017年3月調査では、全規模・全産業の雇用人員判断DI(過剰-不足)がマイナス25で、バブル崩壊直後の1992年以来の人手不足感となっている。宿泊・飲食サービス、小売、運輸・郵便など労働集約的な業種が多い非製造業、人材の確保が難しい中小企業の人手不足感が特に強い。 こうした中、スーパーや百貨店の営業時間短縮、ファミリーレストランの24時間営業の取りやめ、宅配業者のサービス縮小などが相次いでいる。 人手不足はどれほど深刻
「取り戻そう日本経済の必勝パターン」で書いたことと重なるところがあります。ご容赦を。 現在、日本の労働市場の需給が引き締まってきていること、タイト化していることは間違いがないでしょう。それなのに月当たりで見た平均賃金が上がらないのは何故だろうか?物価が上がらないのは賃金が上がらないせいじゃないかといった問いが浮かんでくる。自然な問いだと思います。 私の意見をご披露すると、こんなことになります。 労働市場全体がタイト化してきたとき、一番賃金が上がりにくいのは、高生産性(付加価値労働生産性のことです。以下同じ)・高賃金部門です。大企業の正社員を考えてください。中途採用の求人を出せば大勢の就職希望者がやってくるでしょう。その内から何人かを選んでいるという状況なら、採用数を増やしたいと考えれば、ただ採用すればいいだけです。これまでより質は多少落ちるかもしれませんが、人手不足であれば許容できます。つ
ビジネスマンは忙しい。 朝出社して、前日に残した仕事の続きをしていると、メールや電話がかかってきて、次々と小さなタスクが積み上げられる。 なんとかそれらをこなしていると昼休みだ。急いで昼ごはんを掻きこんでいると、あれもこれもやらなければ、と気づく。 席に戻った彼は、頭の中でタスクを整理して、優先順位を決め、処理していく。 この調子だと、今日も残業かもしれない。そういえば有休もしばらくとっていない。 ふと窓辺にいる課長を見ると、緩慢な動作で書類に目を通したり、思いついたようにどこかに電話をかけて、どうでもいい話題で盛り上がったりしている。 どう見ても暇そうである。 それなのに、給料はこちらのほうが安いときている。自分に対する評価は正当なのだろうか? このような光景を会社の中で見かけることは珍しくない。 かわいそうな話だと思う。自分もそうだ、と忙しい彼に感情移入できる人もいるかもしれない。 し
ミスターK💙💛 @arapanman 4/25読売、働き方に対する男女年代別意見。女性側下から2番目「若い方はお金にシビア。「サービス残業はやらない」なんてとても寂しい。思いやりに欠けている(埼玉県、60歳代)」…こんな考え方する人がいるのか!!! pic.twitter.com/jZtpIOabcy 2017-04-25 11:12:17 ミスターK💙💛 @arapanman 男性の働き方というか子育てに対する役割も質問すべきだろう。「育休を積極的に取る」「家事に積極的に取り組む」「妻のケアを意識する」とか。こういうアンケートしかとらないっていうのは、子育ては女性だけがするものっていう意識の表れ。 pic.twitter.com/qQ4e2jII0w 2017-04-25 11:56:08
「働き方改革」という言葉を聞く機会がめっきり増えた。その一丁目一番地というべき長時間労働の是正に向けて、残業時間に上限が設けられる見通しだ。働きすぎがさまざまな悲劇を招いてきたことを考えれば、当然の感さえあるが、そもそも、なぜ長時間労働はやまないのか。経済学の新しいアプローチから、この日本の宿痾(しゅくあ)を見た。 「日本人は働きすぎ」と言われる。だが、1980年代に2100時間を超えていた年間総労働時間は、2000年以降、おおむね1700時間台で推移。調査方法に違いがあるものの、直近はイタリアを下回る=グラフⅠ。 転機は、87年の労働基準法の改正だ。当時日本は毎年巨額の貿易黒字を計上、「長すぎる労働時間」が貿易摩擦の元凶との非難が高まっていた。批判をかわすねらいもあり、法定労働時間が週48時間から40時間へと段階的に引き下げられ、週休2日も広がった。 ただし、30代から40代前半の男性就
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2016年6月に発表された安倍内閣の「ニッポン一億総活躍プラン」では、働き方改革は一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題であると明記された。同年9月には働き方改革担当大臣という新しい大臣ポストが誕生し、初代大臣には加藤勝信衆議院議員が任命された。 働き方に関する課題はそもそも厚生労働省が管轄しているのだから、今回の働き方改革も厚生労働省に音頭を取ってもらうことも検討されたはずだが、新たに大臣ポストを設置したということは、安倍政権が働き方改革を重要課題として位置づけていることの証左であろう。 また同じく2016年9月からは、安倍首相自身が議長を務める「働き方改革実現会議」が継続的に開催されている(現時点で2017年2月22日の第8回まで終了している)。この会議で検討するテーマは次の通り、9項目となっている。 1 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 2 賃金引き上げと労働生産性の向上 3
松崎 一葉(まつざき・いちよう)さん 筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授。1960年茨城県生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了。医学博士。産業精神医学・宇宙航空精神医学が専門。官公庁、上場企業から中小企業まで、数多くの組織で精神科産業医として活躍。またJAXA客員研究員として、宇宙飛行士の資質と長期閉鎖空間でのサポートについても研究している。「クラッシャー上司」の命名者の一人。 河合:奥さんに逃げられてうつ病になってしまったり、帰国子女に逆クラッシュされたり。「クラッシャー上司」って意外と打たれ弱いんですね。 松崎:一丸となって一つの価値観の下でやっていかないとダメだって、思っているから。逆に言えば、その考え方があるからこそ、部下を潰してしまうような自分の言動を正当化できる。 河合:私、日本に帰ってきていちばんしんどかったのが、その「みんなと一緒」を良しとする空気
沖縄の下層の若者たちは、剥き出しの暴力に支配された地元や職場からなぜ抜け出せないのか? それは生活様式や「文化」の問題ではなく、産業構造や経済の問題だと語る打越正行氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――打越さんの研究について教えてください。 私は、若者文化、なかでも暴走族、ヤンキーの若者の文化について研究しています。そうした若者たちと活動をともにし参与観察をしたり、彼らに生活史インタビューを行ってきました。 暴走族のバイク倉庫に通い、建築現場で一緒に汗を流しながら、彼らの生活と仕事について調べるんですね。そのなかで、彼らが建築業や風俗経営業、違法な就労などといった、厳しい生活や仕事になぜ就くようになるのか、つまり沖縄の下層若者の就労をめぐる再生産過程に関心を持ちました。 沖縄には「ゆいまーる」という、相互に友好的に助け合う「つながり」があるといわれます。ところが、調査を進めていく
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