スイスの金融大手の日本法人「クレディ・スイス(CS)証券」(東京都港区)の社員ら100人超が、親会社から与えられたストックオプション(SO、自社株購入権)で得た所得計約20億円の申告漏れを東京国税局などから指摘されていたことが分かった。社員の大半は、日本の国税当局が所得を把握しにくい海外の口座で自社株を取得し、運用していたという。 CSの年次報告書やCS関係者の話などを総合すると、世界各国にある系列会社の社員は、親会社からSOを与えられている。日本法人のCS証券の社員の多くは、CS株が上場されているスイスや米国にある証券会社の取引口座でSOを使ってCS株を取得していたという。このうち100人を超える社員はその権利を使い、2007年ごろまでにスイスなどでCS株を取得したにもかかわらず、日本の国税当局に給与所得として申告していなかった。中には、市場で株を売却した際の利益や株保有中の配当を得た