あなたは遺伝子をどこから手に入れただろうか? 明確な答えは両親だ。卵子と精子の結合が、あなたを作る遺伝子のユニークな組み合わせをもたらした。 だが、最新の研究はこの常識に一石を投じる。人体に存在する遺伝物質のかなりの部分が、かつて他の種から飛び込んできたものだというのだ。 これはカモノハシからヒトまで、動物の進化の重要な推進力なのかもしれない。 DNAの水平移動という説 『Genome Biology』に研究論文を掲載したオーストラリア・アデレード大学ポスドク課程のアトマ・イヴァンチェビッチ氏によれば、相当な量のDNAが水平移動するという説は、ヒトや動物の由来の理解を変えてしまう可能性があるという。 最初から解説しよう。まず、跳躍する遺伝子は本当の遺伝子ではない。それは遺伝子の間にある非コード遺伝物質である転移遺伝因子だ。 人間にはこれが大量にあるが(ゲノムの半分以上が、転移因子で構成され