知財弁護士の本棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 松本司先生の「進歩性欠如の論理づけにおける主引例の差替え」(Law & Technology 2009年7月号120頁)を読んだ。それをきっかけに有名な最高裁昭和51年3月10日判決を読み直した。ついでに判例タイムズ334号85頁以下の田倉整先生の解説も再読し、特許判例百選106頁以下の大渕哲也先生の解説もざっと読んでみた。 最高裁昭和51年3月10日判決は、審決取消訴訟の審理の対象が、審決の具体的な認定判断の当否であることを明らかにした。つまり、「新規性なし」のような抽象的なレベルではなく、「引用例1」という具体的な公知例に基づく新規性のある・なしの審決の判断が審理対象であり、審決で認定判断されていない公知例を使って審決
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