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2009年10月30日のブックマーク (24件)

  • 『ダブルトラック問題について(2)』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 特許の有効性について裁判所と特許庁の両方が判断権限を有するため、審理の重複(ムダ)や矛盾が生じるいわゆる「ダブルトラック」問題は、知財高裁平成20年7月14日判決 がきっかけになって、急に注目を浴びるようになりました。 この事件では、「生海苔の異物分離除去装置」という、結構有名な特許侵害の事件において、原告特許権者勝訴の判決が確定した後、被告が起こした何回目かの無効審判請求がやっと認められて確定しました。そのため、再審事由(民事訴訟法338条1項8号)あり、つまり「特許権者が勝訴した確定判決は、初めからなかったことにする」ということになったものです。 現行法の適用としては、そうならざるを得ないわけですが、無効理由の主張なん

    『ダブルトラック問題について(2)』
  • 『不正競争防止法における「類似」と「混同のおそれ」』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 先週は、商標協会の不正競業部会において年に一度の発表をした。少ないときには、3人くらいのときもあったが、今回は18人も来てくれて盛況であった。やはりテーマの選択が重要である。 取り上げた判例は、サントリーの「黒烏龍茶」に関する東京地裁平成20年12月26日判決・平成19年(ワ)第11899号である。 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=37167&hanreiKbn=06 最初の被告製品について原告が警告状を送ったところ、被告らは当初のパッケージ(被告表示A)は中止したが、少し変えた別のパ

    『不正競争防止法における「類似」と「混同のおそれ」』
  • 『証拠収集実務マニュアル』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 東京弁護士会法友全期会編「証拠収集実務マニュアル 」改訂版(ぎょうせい)が出た。 訴訟の類型別に、主張・立証しなければならない事実は何か、そのための証拠をどのようにして入手できるかについて説明したもの。 基的には、弁護士による弁護士のためのである。しかし弁護士が書いた弁護士向けのというのは、かなり分かりやすく書かれているものが多く、大体において外れがない。 実は私も「意匠権侵害訴訟」の部分を執筆している。「知的財産権訴訟」でひとまとめにしそうなところを、「特許権侵害訴訟」「商標権侵害訴訟」「意匠権侵害訴訟」「不正競争防止法関係訴訟」と細かく分かれている(すべて違う人が執筆)。なぜか「著作権侵害訴訟」はない。 内容はこ

    『証拠収集実務マニュアル』
    shiranui
    shiranui 2009/10/30
  • 『日立事件とキヤノン事件』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 知財ぷりずむ2009年7月号の「キヤノン職務発明事件高裁判決における問題点」を読んだ。うちの事務所はキヤノン事件に関与しているので言えないことも多いが、正直「???」という感じの論稿である。 論稿は、「使用者が受けるべき利益の額」の計算方法が日立事件と違うのが日立事件の最高裁判決の違反だと主張している。しかし、日立事件において、最高裁は「使用者が受けるべき利益の額」の計算方法について何ら判断していない。上告審の審理の対象になったのは、外国特許分についても補償しなければならないかという論点だけである。日立事件で「使用者が受けるべき利益の額」の計算方法について判断したのは高裁までである。したがって最高裁判例の違反など、ありえな

    『日立事件とキヤノン事件』
  • 『利用発明に関する日米合意』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 昨日は日米「密約」の話をしたが、実は知的財産の世界でも(密約ではないが)変な日米合意がある。 甲さんが特許発明「A」(例えば「鉛筆」)を有しており、乙さんが特許発明「A+B」(例えば「断面六角形の鉛筆」)を有しているとき、乙の特許発明を甲の特許発明の「利用発明」という。 重要なことは、乙は甲からライセンスを受けない限り、自己の特許発明「A+B」を実施できない。「A+B」(断面六角形の鉛筆)は「A」(鉛筆)には違いないからである。 そこで特許法は、乙さんが甲さんに対して「ライセンスをくれ」という協議を申し出られること(特許法92条1項)、協議が成立しないときは特許庁長官に裁定を請求することができること(92条3項)を規定して

    『利用発明に関する日米合意』
  • 『不法行為の成立要件としての「権利侵害」』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 知的財産法は、不法行為法の特別法である。したがって、たまには?民法も勉強する必要がある。 不法行為の基条文である民法709条は、 「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」 と書いてある。しかし、最近まで、この条文は「故意又は過失に因りて他人の権利を侵害したる者は之に因りて生じたる損害を賠償する責に任ず」と書いてあった(実際には、カタカナで旧仮名づかい)。 たしか平成18年に民法の条文が口語化されたのであるが、そのときに、ドサクサに紛れて内容も少し修正された。「他人の権利」が「他人の権利又は法律上保護される利益」になったのである。 幾代通(徳

    『不法行為の成立要件としての「権利侵害」』
    shiranui
    shiranui 2009/10/30
  • 『特許のクレーム解釈』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 特許のクレーム(請求項)の解釈、つまり特許権の権利範囲の確定の問題は我々の飯の種である。学生にも、かなりしつこく教えているつもりだ。 最高裁平成3年3月8日判決、いわゆるリパーゼ判決は権利の成否・有効性が問題となる場面、つまり「発明の要旨」の認定の場面だけで適用があり、被告製品が侵害しているか(「技術的範囲に属するか」)の文脈では適用がない。 したがって、被告製品が侵害しているかの文脈で「一義的に解釈できない等の特段の事情」云々を言うのは誤りである。一義的に解釈できない等の特段の事情があるか否かにかかわらず明細書・図面を当然参酌するのだと明言している知財高裁の裁判例があるくらいである。 「技術的範囲の確定」は特許法70条2

    『特許のクレーム解釈』
    shiranui
    shiranui 2009/10/30
    自分で考えてみます
  • 『生産アプローチと消尽アプローチ』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 大事な訴訟で勝訴判決を得たので、ニヤニヤしている。 さてリサイクル品に対する特許権の消尽について、学説を「生産アプローチ」と「消尽アプローチ」という整理により分ける人がいる。 非常にわかりづらい用語であり、どうしてこういう用語が普及してしまったのか、残念である。江戸から京都に行くのに「東海道アプローチ」と「中山道(なかせんどう)アプローチ」があるというなら理解できるが、「東海道アプローチ」と「京都アプローチ」があると言われても理解できないのと同じことである。 横山久芳教授の造語らしいのであるが、特許判例百選[第三版]62事件の解説を見ると、生産アプローチは、消尽理論によって免責されるのは「使用」や「譲渡」であって、「生産」

    『生産アプローチと消尽アプローチ』
  • 『審決取消訴訟の訴訟物』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 松司先生の「進歩性欠如の論理づけにおける主引例の差替え」(Law & Technology 2009年7月号120頁)を読んだ。それをきっかけに有名な最高裁昭和51年3月10日判決を読み直した。ついでに判例タイムズ334号85頁以下の田倉整先生の解説も再読し、特許判例百選106頁以下の大渕哲也先生の解説もざっと読んでみた。 最高裁昭和51年3月10日判決は、審決取消訴訟の審理の対象が、審決の具体的な認定判断の当否であることを明らかにした。つまり、「新規性なし」のような抽象的なレベルではなく、「引用例1」という具体的な公知例に基づく新規性のある・なしの審決の判断が審理対象であり、審決で認定判断されていない公知例を使って審決

    『審決取消訴訟の訴訟物』
  • 『分割出願の謎』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 特許法で「分割出願」(特許法44条)ほど難しいものはありません。あまりに難しいから、学生にも教えません。 分割出願の要件について、東京高裁昭和61年12月2日判決は次のように言っています。わりと有名な判例です。 「いわゆる一発明一出願主義の下において、二以上の発明を包含する一個の特許出願をした出願人に対し、当該特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とするという手続をとらせ、新たな特許出願は原出願の時にさかのぼつて出願したものとみなすことによつて、原出願とは別個に特許を受けることができるものとした分割出願制度の趣旨及び特許法第四四条の規定に照らすと、分割出願が適法であることの内容上の要件としては、(甲)分割前の原出願が

    『分割出願の謎』
  • 『意匠法の難しさ』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 意匠法は難しい。まず、スタンダードな教科書がない。 私が今まで一番よいと思ったのは、加藤恒久「部分意匠論」(尚学社)である。体系書ではないが、意匠法を理解するうえで特に重要な平成10年改正について詳しい。しかし加藤先生の「需要説」というのは私は理解できない。 意匠の何が難しいといって、そもそも権利内容を確定するのが難しい。 権利範囲を「特許請求の範囲」の形で文章により表現した特許権と異なり、図面によって定まる意匠権の権利範囲を確定することは困難な作業である。 意匠権の権利範囲を確定するためには、①意匠に係る物品が当然に有する基的形態は何か、②登録意匠の出願日前に公知(または周知)の形態は何か、③登録意匠に新たに加えられた

    『意匠法の難しさ』
  • 『不正競争防止法の改正に思うこと』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 今年の2月に、不正競争防止法の改正が閣議決定された。 http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/index.html http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g90216a01j.pdf 正直、この頻繁かつ小出しな改正の流れには少し呆れている。 不正競争防止法で営業秘密が保護されるようになったのは平成2年の改正時からである。 しかし、営業秘密の侵害行為が刑事罰の対象とされるようになったのは、平成15年の改正時からである。それまでは、刑法の窃盗罪、業務上横領罪、背任罪で処理してきたのであるが、平成2年法以降、刑法を適用

    『不正競争防止法の改正に思うこと』
  • 『異常に厳しい特許庁への入館』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 もとからセキュリティが厳しい特許庁への入館が、今週からさらに厳しくなった。 http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/nyuukanhouhou.htm 裁判所であれば弁護士バッジをつけていればノーチェックである。 ところが特許庁へ入るには、弁護士バッジをつけていても手荷物検査を受けさせられる。なぜ裁判所より厳しくしないといけないのか。 私の場合は公用があるので「入構証」というのをもらっており、今までこれがあるので手荷物検査は免れ、職員と同じフリーパスであった。 ところが今週から、さらに身分証明書の提示を求められるようになった。 弁護士バッジは弁護士の身分証明であり、裁判所でも拘置所でもバッ

    『異常に厳しい特許庁への入館』
    shiranui
    shiranui 2009/10/30
    本当にね
  • 『立体商標の背理』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 平成8年の商標法改正により立体商標の出願が可能となったが、その後の裁判例の蓄積により、立体商標制度の適用範囲は当初、期待されていたよりも狭いことが判明してきた。 立体商標については、何と言っても東京高裁平成13年7月17日判決【ヤクルト容器立体商標事件】がリーディングケースであり、実務上の影響も大きかった。 平たく言うと、「ヤクルト」あるいは「Yakult」と書いてあれば別論、何も書いていない立体形状に登録は認められない、というのが判決の結論である。 立体商標を出願する事業者としては、「ヤクルト」あるいは「Yakult」といった文字列については、既に商標登録を有しているのが通常であろうから、文字列を含む図形でなければ登録を

    『立体商標の背理』
  • 『販売の申出のみが日本国内の場合について』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 日は久しぶりに東京弁護士会の知的財産法部会に出席しました。火曜日はなかなか出られないんです・・。 皆さんと議論して、自分がかなり保守・守旧派?だということが判明。たしかに、私はオーソドックスな解釈が好きです。 日出た議論でいうと、特許法2条3項の「譲渡等の申出」が、外国における販売(譲渡等)について日国内で申出をすることを含むか?という論点。コンメンタールなどには全く書いていないそうです(たしかに、私の手元の「工業所有権法逐条解説」17版にも書いてない)。 でも普通に考えれば実施行為としての「譲渡等」が日国内に限るのですから、それと併記してある「譲渡等の申出」における「譲渡等」は日国内の譲渡ですよねえ。 それに平

    『販売の申出のみが日本国内の場合について』
  • 『平成20年特許法改正(2)』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 平成20年特許法改正においては、特許ライセンスに関して(1)検討され、かつ改正された事項、(2)検討されたが改正されなかった事項、(3)そもそも検討されなかった事項がある。このことは結構重要だ。 前回述べたように、平成20年特許法改正の目玉の一つは「仮専用実施権」および「仮通常実施権」制度の創設であるが、これらの制度の創設は、特許権成立前のライセンスという従来からの実務慣行に法的根拠を与えるものではあるものの、特許権成立前のライセンスについての従来からの法的問題点(たとえば特許権が成立しなかった場合や、ライセンス時のクレームと成立したクレームに齟齬がある場合にどうなるか)に何ら答えるものではない。 平成20年特許法改正のも

    『平成20年特許法改正(2)』
  • 『コモン・ローとエクイティ』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 仕事の合間に外。ビーフストロガノフを頂いたのだが、味は今ひとつ。そこで正しいビーフストロガノフの作り方を書こうかと思ったが、何のブログか分からなくなるので思いとどまった。 Injunctive Relief. A breach of any of the promises or agreements contained in this Agreement may result in irreparable and continuing damage to Party X for which there may be no adequate remedy at law, and Party X is therefore e

    『コモン・ローとエクイティ』
    shiranui
    shiranui 2009/10/30
  • 『特許訴訟は「泥沼裁判」か 日経1月12日の記事について』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 日経1月12日の記事「特許紛争 司法・特許庁2立てのゆがみ 『泥沼裁判』嫌う企業多く」と題する記事についてコメントしたい。 特許権侵害訴訟の件数は、ここ十数年、毎年150件から200件くらいで推移している。統計が出るまでタイムラグがあるので最新の状況ははっきりしないが、減少傾向にあると言われている。 減少傾向の理由は、景気の問題もあろうが、侵害訴訟で特許権が無効となる確率が高く、リスクが大きすぎるということが問題だ。 記事には、敗訴した場合に特許が無効になる割合もここ2,3年で従来の3割程度から6割以上に増えているとある。私の手元の資料では、2000年から2007年の間の無効と判断された割合は34%(2001年)から70

    『特許訴訟は「泥沼裁判」か 日経1月12日の記事について』
  • 『建築の著作物』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 以前、「写真」は常に著作物となるわけではないという話をした。著作権法10条で「著作物」として例示されているにもかかわらず、である。 同じようなことが「建築」にも言える。「建築」は著作権法10条で「著作物」として例示されているが、常に著作物となるわけではない。というより、現在の裁判所の考え方からすれば、ほとんどの建築は著作物にならない、と言ったら驚かれるであろうか。でもそれが事実である。 普通のデザインのビルとか住宅のようなものは、ほとんど著作物にならない。著作物になるのは、かなり奇抜ないし芸術的なデザインのものだけである。建築家が設計したからといって常に著作物になるとも限らない。 まして大手住宅メーカーが設計したような住宅

    『建築の著作物』
  • 『弁護士の生き方』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 このブログを読まれている方の中には、弁護士を目指している人や若手の弁護士の人もいるかと思います。今日はそんな人のために。 弁護士の人数が「激増」しており、新人の就職難が深刻化していると言われています。資格を取ればあとは何とかなるという時代ではなくなりました。そこで若手弁護士は何かと言うと「専門性を身に付けないと」と言います。 でもそうでしょうか。たとえば私は知的財産法を専門にしていますが、知的財産権の侵害訴訟は毎年全国で600件から800件程度です。特許権侵害訴訟に限れば、わずか150件。知財訴訟は増加しているどころか、減少傾向にあると言われています。もちろん弁護士の業務は訴訟対応だけではありませんが、大勢の専門家が当に

    『弁護士の生き方』
  • 『商標権侵害訴訟における被告の主張』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 「知財ぷりずむ」1月号の原稿を書いています。「知的財産法エキスパートへの道」という題の連載で、筑波大学法科大学院で教えている内容をもとにしています。初心者でも順に熟読していけばプロ並みの知識が得られるはず、という趣向です。さわりだけ紹介いたします。 http://www.chosakai.or.jp/ お求めは経済産業調査会まで。雑誌のばら売りもしています(1冊3000円。ちょっと高い・・) 商標権侵害訴訟における被告の主張として最も多いのは、原告商標と被告標章との非類似である。 次いで多いと思われるのが、意外かもしれないが、「商標としての使用」ではないという主張である。 自己の登録商標と同一の商標を指定商品・役務と同一の

    『商標権侵害訴訟における被告の主張』
  • 『職務発明規程のいろいろ』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 うちの事務所はたぶん職務発明の相当の対価請求訴訟に関しては、日で一番経験のある事務所と思う。私自身も現在、2件やっており、事務所全体では5件くらい。もっぱら会社側を代理している。 職務発明の対価請求訴訟というのは、特許権侵害訴訟以上に手間がかかる。よくわかっていない代理人が原告側につくと、一度に5件の特許権で請求したりするから大変なことになる。特許権が5件になると手間暇も原則5倍になるのである。 訴訟以外の相談も多く、今週はある会社の職務発明規程の改正についてアドバイスした。内容のみならず、従業員との「協議」の仕方についてもアドバイスしている。 職務発明規程は会社によって内容がまちまちである。 (1)実績補償の考え方。大

    『職務発明規程のいろいろ』
  • 『特許事務所の経営についての一考察』

    知財弁護士の棚企業法務を専門とする弁護士です(登録28年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。 ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎 知的財産に関する訴訟事件を常時扱っているため、弁理士の先生方とのお付き合いも多いのですが、最近の特許事務所の経営は楽でないようです。 いろいろな方のお話を総合すると、昔(と言っても10年から15年くらい前)は弁理士ひとりあたり月200万円くらいの売上をあげることができたが、今はとても無理とのこと。弁理士業界でも「価格破壊」が進んでいるらしいのです。 特定の大口クライアントへの依存度が高い事務所の場合、出願手数料(弁理士報酬)として1件10万円未満ということもあるようです(そのクライアントだけですが)。 明細書というのは、企業側でどこまで仕上げるかで弁理士の手間暇が大きく違うので一概に言えないのですが、中身のあるものをまじめ

    『特許事務所の経営についての一考察』
  • 株式会社ブライナ