漫画家の手塚治虫(1928~89)が残した「火の鳥」続編の構想原稿を元に直木賞作家の桜庭一樹さんが「小説 火の鳥 大地編」を書くことになりました。挿絵は、手塚作品をモチーフにしたイラストを多く手がける黒田征太郎さんです。 日中戦争期の大陸を舞台に歴史とSFが盛り込まれ、“神様”手塚のロマンがうかがえる原稿から、桜庭さんが長編を紡ぎ、週一回連載します。 NEW(小説 火の鳥 大地編)70(最終回) 桜庭一樹 人間とは記憶だ(9/26) 「陛下は人間宣言をなされた。軍は武装解除された。そして、戦争犯罪人たちが巣鴨プリズンへと……」 ……約千八百人の戦争犯罪人が移送され、うち二十八名がA級戦犯となった。東條英機元首相は、世田谷の邸宅にMPが着くと、銃で自決を図ったが、十五回目の世界とはちがい、弾が急所を外れて失敗。治療ののち収監され… 69 あたしの手に世界の命運がかかってる(9/19) 「あ