3月末に閉館した奈良市の観光案内施設「なら奈良館」で展示していた明治時代の奈良町と、奈良時代の平城京を再現した大型模型の〈第二の人生〉が決まらない。 1辺4~5メートルの大きさがネックになっているため。市は今月中に施設を明け渡し、模型を一時、旧都祁行政センターに移す考えだが、その後の行方は未定のままだ。 奈良町の模型は1990年製作。約1億2000万円かかったとされる。伝統的な町並みを伝えるため、現存する建物や過去の写真、住民への聞き取りなどで、明治時代中頃の様子を100分の1の大きさで再現。元興寺や間口が狭くて奥行きの長い住宅など数百の建物がずらりと並び、庭の木々や屋根の瓦など細部まで表現した精巧な造りだ。 一方、平城京の模型は2000分の1の縮尺。碁盤の目状に住宅や寺院が整然と配置され、周囲には水田を再現。奈良盆地に計画的に造られた都市だったことも分かる。 なら奈良館は2001年3月、