自閉症スペクトラムとは、従来、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などと呼ばれていたものを、1つの障害として考えるためにつけられた名称です。では、自閉症スペクトラムにはどのような特徴があり、家庭や学校ではどのように対応するべきなのでしょうか? 今回は小児科の医師で、長年、発達障害の子どもたちの医療に携わっている榊原洋一さんにお話をうかがいました。 自閉症スペクトラムの3つの特性 母:自閉症やアスペルガーという言葉は聞いたことがありますが、「自閉症スペクトラム」は耳慣れない言葉ですね。自閉症スペクトラムとは、どういう意味ですか? 榊原洋一さん:自閉症スペクトラムとは、発達障害の分類の1つで、スペクトラムとは「連続体」という意味です。典型的な自閉症の特徴が全部そろっていなくても、それに似たいくつかの症状がある場合、「広く1つの障害としてとらえよう」という動きがあり、自閉症、高機能自閉症、ア