映画『この世界の片隅に』を観てきました。いい……とてもいい…… 身も蓋も無い程号泣するかなとも思ったんですがそういう風でもなく、じんわりぐっと涙がこみあげてきて、頬をつうと伝う感じの落涙。いい…… 以下、ネタバレ上等の感想。でも、ネタバレで魅力が薄れるタイプの作品ではないので、読んでもらってもいいのかなと思います。一応隠しておくけど。 なによりの感想は、優しい物語。そして、柔らかい物語。戦争の悲惨な物語ではないし、反戦を訴えるような物語でもない。ある時代のある場所の、世界の片隅で生きる人の物語。楽しいこともあるし、嬉しいこともあるし、驚くこともあるし、死にたいほど辛いこともあるし、身を引き裂かれるほど悲しいこともあるし、でも、それでも生きている、何処にでもいる人の、当たり前で、万人万色の、日常の物語。誰にでもある当たり前で、でもその人にとってはかけがえのないドラマを、情感柔らかく描き出した