連載:熱きシニアたちの「転機」 「定年後」をどう生きるのか――。 「人生100年時代」が到来する中、定年直前になってからリタイア準備を始めるのでは遅い。生涯現役を貫くために、定年後を見据えて「攻めの50代」をいかに過ごすか。新天地を求めてキャリアチェンジした「熱きシニアたち」の転機(ターニングポイント)に迫る。 全国の有名百貨店や高級スーパーのスイーツ売り場で、おいしいと評判のチョコスイーツがある。製造しているのは、横浜市内のチョコレート工房「ショコラボ」で働く知的障がい者や精神障がい者たちだ。この工房は、元銀行員の伊藤紀幸さん(53)が、試行錯誤の末に6年前の11月1日に立ち上げた障がい者の就労支援施設だ。障がいのある一人息子が自立できるよう、障がい者でも正当な賃金を得られる仕事を創りたい。そんな一人の父親の思いが、極上のスイーツを生んだ。