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近年中国では、イスラーム教徒のウイグル族が関係したとみられる事件が頻発している。ここ数年だけをみても、2013年4月にカシュガル地区、6月にトルファン地区とホータン地区などの新疆ウイグル自治区各地で死傷事件が発生しているほか、10月28日には新疆ウイグル自治区から離れた北京市中心部にある、普段から警戒が厳しい毛沢東の肖像画が掲げられる天安門で車両突入事件が発生した。2014年にはいっても、3月1日に雲南省の昆明駅、4月30日にウルムチ南駅、5月22日にウルムチ市内の朝市、7月28日にヤルカンド県などで死傷事件が発生している。これらはあくまでも頻発する事件の一端に過ぎない。 このうち2014年4月30日のウルムチ南駅での事件は、習近平政権に大きな衝撃を与えたと考えられる。習近平国家主席が4月27日から30日までの日程で、新疆ウイグル自治区を訪問していたからである。中国政府はウイグル族が関連し
この記事の写真をすべて見る ・雲南省昆明駅前で、少数民族ウイグル人の「暴徒」による無差別集団殺傷事件が発生。29人が死亡、143人が負傷(3月1日)。 ・新疆ウイグル自治区ウルムチ市の漢民族の朝市に車両が突っ込み、十数回の爆発が発生。31人が死亡、94人が負傷(5月22日)。 ・新疆のヤルカンド県で騒乱が起き、当局発表で37人が死亡。ほか当局が「暴徒」59人を射殺、200人以上を拘束。実際の死者数は千人以上との説も(7月28日)。 以上は昨年1年間に中国で発生した、イスラム教を信仰する少数民族・ウイグル人に関連する事件のごく一部だ。治安部門による掃討を含めた数人規模の死傷事件は、新疆では月に1回以上の頻度で起きている。 中国当局は、こうした事件が発生するたびに「組織的・計画的なテロ」とする見解を述べ、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)というイスラム過激派組織が、黒幕として名指しされる
中国の民族問題といえば、チベット問題を想起する読者も多いだろう。しかし近年では、ウイグル人を巡る民族問題も緊張を高めている。相次ぐウイグル人による事件を受け、中国は全国的な「対テロ戦争」を宣言した。しかし戦うべき敵はもともと存在しなかった。武断的な支配によって中国が自ら生み出してしまったものでしかない。民族や階級、地域といった境界線を強化し「内なる敵」を生み出してしまった隣国の失敗を日本は繰り返してはならない。 10年以上にわたり「テロとの戦い」を続けるアメリカ。しかし、いまだにその泥沼から抜け出せずにいる。 そして今、中国も国内の少数民族ウイグル人との「テロとの戦い」にのめりこもうとしている。 ただし、両国には大きな違いがある。海外の脅威と向き合う米国とは違い、中国はその武断的統治により国内に「テロリスト」を作り上げてしまったのだ。 中国を覆うウイグル人への恐怖とは何か? その背景とは?
[北京 30日 ロイター] - 中国新疆ウイグル自治区の複数の裁判所は、テロ行為などの罪に問われた被告113人に対し、10年から無期懲役の実刑判決を言い渡した。同自治区が明らかにした。
――中国の新疆ウイグル自治区では、5月22日、ウルムチで133人が死傷する爆発事件が起きるなど事態が緊迫している。ノンフィクション作家の安田峰俊氏の現地ルポをお届けする。ウイグルの現実は、密告・尋問・虐殺が繰り返される地獄絵図だ。 車を出ろ!そこに立て!答えろ!答えろ! 突然、タクシーが見知らぬ路地に入っていく。理由を尋ねた私に、ウイグル族の運転手は「警察です」とたどたどしい中国語で答えた。 今年の3月上旬。ここは中国最西端の新疆ウイグル自治区、ポスカム県郊外のイマ郷である。周囲にはシルクロードのオアシス地帯特有のポプラ林と、崩れそうなレンガ造りのウイグル農家が広がる。ときおり、ロバの馬車に鞭を当てて走る老人や、羊飼いの女性とすれ違う。 数百年前から変わらないであろう風景のなかに、場違いな青いペンキ塗りの鉄筋コンクリート造りの警察署が聳え立っていた。タクシーが停まると、待ち構えていた治安担
中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件から6月4日で25年を迎えた。中国の言論空間において天安門事件を表す用語「六四(リュースー)」は最大のタブーの一つだ。当時の学生運動のリーダー、ウアルカイシ氏(46)が民主化運動の集会やデモに参加するため来日し、東京都内で産経新聞の取材に応じた。同氏へのインタビューを詳報する。 ■25年間、両親と会えないまま 《ウアルカイシ氏は天安門事件後、中国当局から反革命宣伝扇動罪で指名手配され、香港に亡命。現在は台湾で生活している。“世界最大の専制国家への挑戦者”を自任する同氏に、事件後の四半世紀を振り返ってもらった》 ──あなたにとって、この25年間はどのような日々だったのか 「非常に長い時間だった。私個人としてもそうだし、事件で子を亡くした親の会『天安門の母』メンバーにとっても長い日々だったに違いない。彼女らは毎日、愛する子供たちが平穏を得られる日を、指
5月30日、東京亀戸の会議室にて、イリハム・マハムテイ会長によるウイグルの現状と難民の出現について学習会が開催されました。参加者は約40名。 イリハム会長は、ウイグルから難民がこれまで以上に中国を脱出し、しかも、周囲の国への脱出ではなく、中国を横断し、自分の故郷から6000、7000キロを経て逃れねばならないという現状にあると指摘しました。それは、周辺諸国(中央アジア諸国)に逃れても、そこで逮捕されて強制送還されるという現実があるからだと述べました。 そして、ウイグル人がなぜ自分の故郷から脱出しなければいけないのかを、イリハム氏は具体的な事例やウイグルの現状を報告し、今ウイグルでは「違法な宗教的な活動には参加しません、違法な宗教出版物には関わりません」と言う文書にサインしなければいけないほど管理が強まっているが、何が違法なのか、どの出版物が違法なのかは、まったく中国当局の主観に任されている
5月7日、中国・新疆ウイグル自治区では、人口構成の変化に加え、雇用差別によってウイグル族の怒りが増幅し、漢民族を狙った攻撃につながっている。写真は銃を持つ治安部隊員とウイグル族の男性。ウルムチで6日撮影(2014年 ロイター/Petar Kujundzic) [ウルムチ(中国) 7日 ロイター] - 先週に爆発事件が起きた中国・新疆ウイグル自治区のウルムチ南駅。この駅は、同国各地から訪れる出稼ぎ労働者にとっての中継地点で、彼らはここから賃金の高い仕事に就くため、同自治区の他の場所へと向かう。 「こんなに遠くまできたのは、賃金がいいからだ」。南西部の大都市、重慶出身のShi Hongjiangさん(26)は、同駅の外でロイターの取材に応じ、「ウイグル族は少なく、仕事に十分な数はいない」と話した。
3月1日に雲南省の昆明鉄道駅で発生した「ウイグル族による無差別殺人事件」をめぐり、今頃になってある「疑惑」が流れている。ひょっとして、あれは新疆独立派など関係なかったのではないか。そうではなくて、ただ密出国を望んで昆明に潜伏していたところを当局側に感づかれたために行き場を失って暴発しただけではないか? 彼らはテロリストではなくて「難民」だったのではないか。惨劇の現場となった雲南の昆明駅はウイグル族の密出国の拠点となる場所だった。最近、その推論を裏付けるように、その「ウイグル難民」ともいうような、国外脱出の実態が相次いで明らかになっている。 昆明事件は「聖戦」ではなく「暴発」か 米国発の華字ニュースサイト・明鏡新聞網によれば、3・01昆明事件はウイグル族が犯人ではあるが、中国側が公表するような東トルキスタン独立派の仕業ではない、という。「昆明事件」の容疑者たちは、実は中国当局の宗教弾圧などか
新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)のハミ(Hami)での反テロ合同演習に参加する警察官ら(2013年7月2日撮影、資料写真)。(c)AFP 【10月9日 AFP】中国当局は、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で「ジハード(聖戦)」を呼びかけた疑いで7~8月にかけての2か月間に139人を拘束した。国営メディアが9日、伝えた。 環球時報(Global Times)が当局者の話として伝えたところによると、他にも256人がオンライン上でうわさを流したとして「処罰」されたというが、処罰の具体的な内容は明らかにされていない。当局はウイグル人のイスラム教徒が暮らす中国最西部で、宗教的過激派の勢力が増していると警告している。 国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が新疆日報(Xinji
今回の新彊ウィグル地区での暴動の原因は、ウィグル人が、新彊を中国の中央アジア、パキスタンへの経済進出の基地とする大規模開発の犠牲にされていることであり、開発が成功すれば中国は中央アジア、パキスタンを経済的に支配することとなろうが、その場合これら地域のイスラム教徒が反乱し、地域が不安定化する可能性がある、と米ジョージワシントン大学准教授のSean R. Robertsらが、7月15日付The Diplomatウェブサイトで述べています。 すなわち、今回の新彊ウィグル地区での暴動の原因は、テロや分離主義、人権問題ではなく、中国中央政府による同地域の開発計画である。計画は中国の中央、南アジアへの経済的関与と関連しているので、反乱は、中国が西に向けて力を投影しようとする計画に対する重大な挑戦である。 過去10年間、中国は新彊の急速な開発を図り、その結果、近代的鉄道網が設置され、大規模な都市化が行わ
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