テレビ大賞優秀個人賞受賞(演出・鶴橋康夫)対象作品。レズの相手を殺し、切り刻んで口にした魔性の女。不気味なほど静かに死刑の執行を迎える。浅丘ルリ子は鶴橋作品と本作の思い出を後年語っている。「私は計二十本の鶴橋作品に出演する。『炎の中の女』『渚の女』『非行主婦・アル中の女』『危険な年ごろ』『雀色時』……。社会派ドラマの名手と呼ばれるだけあり、どれも現代人の日常生活の裏側に潜む病巣を暴き出すような難しい役柄ばかりだった。若い男に恋する娼婦だったり、夫への不満や孤独が募ってアルコール依存症に陥る女性だったり。鶴橋さんはこれでもかこれでもかと新たな役柄を私に提案してくれた。特に1984年放映の『魔性』は群を抜いて壮絶な作品だった。私は近親相姦を経験したレズビアン。若い愛人を殺害し、死体をバラバラにして食べて死刑囚となる。独房では自慰行為にふけり、最後は絞首刑に処されて失禁する。(テレビドラマでここ