April 1, 2019 | Art | casabrutus.com | text_Yuka Uchida 漠然と抱いていたアイヌのイメージが、いかに表面的なものだったのかを思い知らされる写真集だ。美しい民族衣装に身を包み、伝統舞踊を舞う姿があったかと思えば、嬉しそうに振袖を着て、成人を祝う若者の姿がある。アイヌの女性が指にシヌイェ(入れ墨)を入れるドラマチックな写真も、海山で働き、酒を酌み交わす、彼らの日常に溶けていく。 写真家の池田宏が北海道に通い始めたのは2008年のこと。アイヌという未知の世界を知りたいという単純な動機だった。 「ですが、続けていく中で徐々に見えてきたのは、北海道におけるアイヌの人たちの境遇や彼らの複雑な思いでした。それと同時に、本州に住む近しい人たちの多くがアイヌに対するステレオタイプなイメージを持っていることにも気づき、そのギャップを少しでも払拭できればとい
![儀式から日常まで。真っ直ぐに写したアイヌの今。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c44a09834222389e54ceb0b7737a1b8c849dfc13/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwp2022.casabrutus.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2019%2F03%2F0331ainu_1200.jpg)