ワインのオフフレーバーのひとつであるゲオスミンをお話する前に、皆さんはペトリコール(英: Petrichor)という言葉をご存知でしょうか?米津 玄師の曲名と言えば馴染みが湧くかもしれません。雨が降ると、地面から湧き上がる大地の匂い、ギリシャ語で「石のエッセンス」を意味するそうです。この匂いの原因となる成分が、今回紹介するゲオスミン (geosmin)です(ジオスミン、ジェオスミン)。雨によって土壌中のゲオスミンを含んだ状態で、雨滴から空気中に飛び散ることによって大気中に拡散し、ゲオスミンを含んだエアロゾルが立ち上り、嗅覚がキャッチすることで、独特の雨上がりの匂いを感じさせます。何とも良い香りのように聞こえるかもしれませんが、いわゆるカビ臭のひとつになります。 具体的には土壌中に多く生息するストレプトマイセス属の放線菌、やアオカビ(ペニシリウム属)、灰カビ病菌(ボトリティス・シネレア)など
![ワインの香りを化合物から整理する⑯ 雨土の匂い(ゲオスミン)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/41c044b41397bbc081154e502138fdc97d838c5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.amebaowndme.com%2Fmadrid-prd%2Fmadrid-web%2Fimages%2Fsites%2F408591%2F45daa7829666c2b4d19dc7ac302c71f6_0fa8e65d7147197cc00b524bde6cc37c.jpg)